セウォル号惨事から10年、記憶と記録
2024-04-19
中央銀行にあたる韓国銀行は6日に外貨準備高に関する統計を公表し、韓国の外貨準備高は十分な水準にあり、為替危機を懸念する必要はないとしました。
9月末の外貨準備高は4167億7000万ドルで、前の月に比べると196億6000万ドル減りました。
金融危機当時の2008年10月以来、ほぼ14年ぶりの大きな減少幅となりました。
外貨準備高は3月以降4カ月連続で減少し、7月にはやや回復しましたが、8月に再び減少に転じました。
外貨準備高の内訳をみますと、全体の9割以上を占める有価証券が3794億1000万ドルで、前の月から155億3000万ドル減りました。
その他、預金が141億9000万ドル、IMFの特別引出権(SDR)が141億5000万ドル、IMFポジションが42億3000万ドル、金が47億9000万ドルとなっています。
IMFポジションは、加盟国がIMFから無条件で資金を引出せる限度額を指します。
買入価格で表示される金を除くといずれも小幅に減少しました。
なお、8月末時点で韓国の外貨準備高は、中国、日本、スイス、ロシア、インド、台湾、サウジアラビアに次ぎ、8番目に多くなっています。
9月に外貨準備高が大きく減ったのは、金融当局が為替相場安定のために有価証券などの外貨建て資産を売却するなど、買い介入を実施しためです。
年初に1ドル=1100ウォン台だったドルに対するウォン相場は、ここのところ1ドル=1400ウォン台で推移しています。
9月は急速にウォン安が進み、ソウル為替市場で9月2日時点では1ドル1362.6ウォンで取引されましたが、9月30日には1ドル1430.2ウォンで取引を終え、ウォンは安値を更新しました。
1ドル=1400ウォン台を突破したあと、韓国銀行が介入を実施しましたが、目に見える効果はありませんでした。
韓国銀行の関係者は介入の効果について、「介入は特定のレートを目標にしているのではない」としたうえで、「あくまでも市場における一時的な需給の不均衡を解消することが目的で、市場が機能を回復するのに寄与した」と説明しました。
韓国銀行は毎月外貨準備高に関する統計を公表しています。
これまで記者会見などはしていませんでしたが、今回は担当局長が会見に応じ、記者の質問に答えました。
急速にウォン安が進んでいることへの懸念が拡大していることを受けたものです。
韓国銀行は現在の外貨準備高は十分な水準だと強調しています。
政府や企業、個人が外国に保有する資産から負債を差し引いた対外純資産をみますと、韓国はGDPの37%に相当する対外純資産を保有しています。
また、負債のうち短期外債の割合も低い水準です。
9月に外貨準備高が大きく減ったのは確かですが、減少幅はマイナス4.5%で、過去32番目の水準にとどまっています。
韓国銀行の関係者は、海外の主要格付け会社も韓国の外貨準備高が堅実な水準と評価していると指摘し、「為替危機」といった言葉は韓国経済を説明するための表現としては適切でないと強調しました。
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