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論点

尹錫悦大統領が国会で施政方針演説

2022-10-29

ニュース

ⓒYONHAP News

尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は25日、国会で来年度予算案に関する施政方針演説を行いました。

5月に行った演説は新型コロナウイルスに伴う商工業者への補償などが中心となりましたが、今回の演説は経済と安保の課題克服に重点が置かれました。

尹大統領は演説で、世界的に物価上昇・高金利・ドル高の傾向が続いていることで金融市場の変動性が拡大し、経済の不確実性が高まっていると指摘しました。

そのうえで、ずさんな財政運用で財政赤字が大きく拡大したとして前政権の経済政策を批判し、この時点で必要なのは財政の健全化と生活困窮者など社会的弱者の苦痛を軽減するための対策だと強調しました。

財政赤字を縮小するために来年度予算案の総支出は2010年以降初めて前年比で縮小編成されましたが、こうした状況でも社会的弱者のための対策を強調したのは、こうした人たちの福利厚生は疎かにしないという姿勢を強調したものと受け止められています。

社会的弱者のための対策としては、一人親世帯への支援拡大、障害者雇用奨励金の引き上げ、貧困層や若年層への住宅支援、基礎年金の引き上げなどを挙げました。

一方、安全保障については、北韓による相次ぐミサイル発射や7回目の核実験の可能性に言及し、厳しい状況が続いていると懸念を示しました。

そのうえで、韓米連合防衛体制や韓日米安保協力を通じて北韓に対する抑止力を強化していきたいと述べました。

ただ、北韓が非核化に向けた対話に応じれば、政治・経済的な支援を行う考えを改めて表明しました。

一方、今回の施政方針演説は野党がボイコットする異例の事態となりました。

検察は先週、違法な政治資金を受け取ったとして最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表の側近を逮捕し、党本部の家宅捜索に入るなどしています。

「共に民主党」はこうした動きについて、野党への政治的弾圧だと強く反発、大統領の施政方針演説が行われた本会議への出席を拒否しました。

野党側が大統領の施政方針演説を全面的にボイコットしたのは憲政史上初めてです。

「共に民主党」は大統領の施政方針演説について、社会的弱者への配慮を強調しながらその関連予算は削減されるなど一貫性がなく、現政権の無能さと無責任な国政運営を再度露わにしたと批判しました。

これに対して与党「国民の力」は、経済と安保の課題が山積する中で過半数の議席を占める野党が施政方針演説をボイコットするのはどのような理由があっても正当化できないと批判しました。

大統領は演説で、経済・安保の課題克服のためには与野党の協力が必要だと訴えましたが、与野党が対立する中で混乱はしばらく続く見通しで、野党側の協力を得るのは難しい状況です。

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