川瀬和広 在韓日本大使館 公報文化院長とのインタビュー
2023-12-01
ⓒYONHAP News
大統領室と一部のメディアの関係が悪化する中、大統領室がぶら下がり取材を中止すると発表し、論議を呼んでいます。
韓国大統領室は21日、大統領のぶら下がり取材を中止することを決定したと明らかにしました。
その理由については、最近の好ましくない事態に関連して再発防止のための措置が必要だからだと説明しました。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は就任後、出勤時に原則毎朝ぶら下がり取材に応じていましたが、この日はぶら下がり取材が行われていた1階のロビーは仮設のフェンスで遮られ、記者団は大統領の姿を見ることはできませんでした。
問題の発端は地上波テレビ局のMBCの報道内容でした。
尹大統領は9月に国連総会に出席するためニューヨークを訪れましたが、その際にアメリカ議会の議員を指して暴言を吐いたとMBCが報じ、大統領室とMBCの関係が急速に悪化、今月の大統領の東南アジア歴訪では大統領室がMBCの記者を政府専用機に搭乗させませんでした。
今月18日のぶら下がり取材で、政府専用機への搭乗拒否の理由について、「悪意のある報道内容が問題だった」と述べ、この発言をめぐってMBCの記者と大統領室秘書官が口論する事態に発展しました。
大統領室の副報道官は書面で、「悪意のある報道」としたことについて、音声の専門家もはっきり聞き取れない発言内容に字幕をつけて繰り返し放送したことなどを理由に挙げました。
尹大統領は就任当初から「国民との意思疎通」を強調してきました。
ぶら下がり取材は過去に例がなく、尹大統領が強調した意思疎通の象徴でもありました。
就任翌日の5月11日からぶら下がり取材に応じ、今月18日まで61回のぶら下がり取材が行われました。
困難な質問には即答を避けることもありましたし、与党からは即興的な発言が支持率の低下につながると懸念する声も出ていましたが、それにも関わらず尹大統領はぶら下がり取材を続けてきました。
今回、大統領室が一部メディアの報道内容をめぐってぶら下がり取材の中止を決定したことで、「国民との意思疎通」の先行きに関心が寄せられています。
こうした動きについて、与党「国民の力」は、MBCの記者の質問内容や態度に問題があったとして、ぶら下がり取材中止の決定は避けられない措置だったとしましたが、野党「共に民主党」は、大統領に批判的なメディアを選択的に排除するのは言論に対する弾圧だと批判しました。
与党側では、ぶら下がり取材再開の条件として、MBCの記者の懲戒処分やぶら下がり取材に参加するメディアを制限することなどが論議されていると伝えられています。
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