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ライフスタイル

アンタクト

2018-05-29

玄海灘に立つ虹

アンタクト
このところ、「アンタクト」の文化が広まりつつあると話題になっています。
「アンタクト」は「コンタクト」に否定を意味する接頭語「アン(un)」をつけた韓製英語で、「非接触」を意味します。この状況を表す「アンタクトマーケティング」が、去年からの消費トレンドとして浮上しているのです。これは、顧客と向き合うことなくサービスや商品などを販売する非対面のマーケティング方式です。ソウル大学消費者学科の教授は同方式を今年の10大消費トレンドの1つに挙げました。
アンタクトの形態は、日本でも最近よく話題に上がっている無人店舗のほかにもさまざまなスタイルが挙げられますが、そのなかの1つが自動販売機の増加でしょう。これまでの飲み物や菓子類の自販機のほか、最近は本や花束、おかずの自販機が増えています。また、農協中央会は来年から肉の自販機を本格運用する予定だと発表しました。
外食産業では、発券機で食券を買うことで注文、決済するスタイルの飲食店が増えています。もともと日本ではラーメン店をはじめ食券を利用する飲食店が多いということは韓国でも知られていましたが、なかなかそれが根付くことはありませんでした。それがここにきて、一気にトレンドのスタイルになっています。最近では日本風ラーメン店のほかにもフードコートなどでよく見かけるようになりました。これは、日本食人気やおひとり様文化の定着も影響していると見られます。ほかにも、マクドナルドは2015年からタッチパネルで注文、決済(クレジットカード)するシステムを導入していますが、ファーストフードを中心にこうした無人注文システムが定着しつつあります。また、スターバックスコリアはアメリカに先立って14年からO2O(オンライン・ツー・オフライン)サービスの「サイレンオーダー」を導入していますが、これも徐々に定着し、今年3月に累積注文件数が4,000万件を超えました。
このようにアンタクトがトレンドとなる背景には、人件費節減(最低賃金の上昇)といった大きな理由のほかにも、人との接触を好まなくなった社会的雰囲気があると分析されています。もともと韓国は人と人との接触を大切に考える文化が根づいていただけに、生活が便利になったかわりに一抹の寂しさを感じている人々も多いことでしょう。

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