スターがどういう行動、行為をしようと、「ファンだからすべて受け入れる」「肩を持ってくれる」ことは、もはやなくなったようです。このごろのファンは組織的な行動で、スターに対して積極的に物を言うことができるようになりました。

スーパージュニアのファンサイトのひとつ、DCインサイドのスーパージュニアギャラリーが、「スーパージュニアのソンミンの活動中止を求める声明書」を、６月10日、サイトに掲載しました。これは、ソンミンがスーパージュニアから脱退することを求める内容となっています。スーパージュニアは、入隊したメンバーのほとんどが戻る今年下半期に新曲をリリースしグループの活動を再開することがすでに発表されています。そうした中でこうした事態が起こったわけです。

ファンサイトがこうした声明を出した理由は、一言で言うと、ソンミンがファンとのコミュニケーションを疎かにしたからです。ソンミンは2014年９月24日にミュージカル女優で現在の妻（キム・サウン）との熱愛が報道されました。その報道後、ソンミンは熱愛を認めましたが、その後「まもなく結婚する」という噂が流れました。噂が事実なのか教えてほしいというファンの要請に対してソンミンは「報道されて初めて知った」というような対応をしていましたが、結局12月に結婚。結婚式を準備している状況であったにも、ファンに嘘の対応をした、ファンを欺いた、と声明には書かれています。

また、結婚式をスーパージュニアの活動中に行い、他のメンバーへの配慮が欠けていたこと、ソンミンが個人のブログで「韓国ファン」を禁句に指定し、韓国のファンのアクセスを遮断したこと、入隊してからや除隊後も、ファンとのコミュニケーションがなかったことなども、ソンミンの活動中止を求める理由だとされています。

声明にも書かれていますが、結婚そのものが、こうした要求をすることに至った理由ではありません。ですが、結婚についての言及や説明がなかったことで、ファンの怒りを買った点では、元H.O.Tのメンバー、ムン・ヒジュンへの、ファンによる支持撤回声明も同じです。DCインサイドのH.O.Tギャラリーが５月に掲載した、「ムン・ヒジュンに対する支持撤回声明」によりますと、ムンさんのこれまでの不適切な言動や結婚に際してのファンに対する態度などが項目別に整理されています。

いずれもファンサイトの一つ（規模の大きなところではある）が起こした行動に過ぎないと言えばそれまでですが、以前とはファン文化がだいぶ変わってきたことがわかります。スターが一方的にコンテンツを提供し、ファンはそれを無条件的に受け入れるという形態だったのが、いまでは多様なチャンネルを通じてスターに対してファンが要求や主張ができる、双方向のコミュニケーションが重視されるようになってきているのです。以前は舞台やテレビ番組でしかスターに会えませんでしたが、いまではSNSを含め多様な活動を通じてスターに接する機会が増えていることもその理由です。

このため、スターとファンの関係はより密接になり、自然、相互の信頼が、ファンとスターの関係を維持するうえで重視されるようになっています。ソンミンさんとムン・ヒジュンさんの事態は、二人が信頼とコミュニケーションの重要性を軽視したからで、当然の結果だと受け止められています。