牛肉をはじめ内臓や骨を煮込んでつくるソルロンタン。そのルーツについてはさまざまな説がある。高麗時代に大きな釜に肉を煮込むモンゴルのスープ料理がソルロンタンの始まりだったという説、また朝鮮時代、世宗(セジョン)大王の時代に農事に関する祭祀が執り行われていた先農壇(ソンノンダン)という所で、祭祀に参加した人々にふるまわれていた料理だったという説もある。先農壇のスープなのでソンノンタンと呼ばれた料理が、のちにソルロンタンになったというもの。ソルロンタンは、1910年代、「ソウルソルロンタン」と呼ばれたほど、ソウルの人たちによく食べられていた料理である。
主な材料 :
牛の足の骨1kg、膝から下の部分まるごと1kg、牛の胸肉500g、水5L
ヤンニョム(味付け) :
その他の材料 : 長ねぎ100g、そうめん80g、塩5g、こしょう5g
牛の足の骨、牛の足、胸肉を5時間ぐらい水につけておき、血抜きをする。 血抜きをした骨や肉を入れ、ひたひたに浸かるぐらいの水を入れて煮立たせ、不純物が浮いてきたら火を止め、出汁を捨てる。 ゆでた肉や骨は冷水で洗い、再度ひたひたになるぐらいの水を入れ強火で煮る。ふきこぼれそうになったら中火にして5、6時間煮詰める。 1時間ぐらい煮たところで胸肉は取り出す。 長ねぎは小口切りにする。 胸肉は繊維に直角に、2mmぐらいの厚さにスライスする。 そうめんをゆでる。熱湯にそうめんを入れ5、6回差し水をし、ざるにあげ、よくもみ洗いしてぬめりをとる。 器にそうめんと胸肉を入れ、スープをそそぎ、ねぎをのせる。好みで塩、こしょうを加える。 ☑ 血をよく抜き、不純物を取り除かないと、出汁に臭みが残る上、きれいな乳白色のスープにならないので注意!
☑ 水道の水をつけっぱなしにして5時間つけておく方法がよいが、水につけておき、その水を何度もとり替えて血抜きをする方法もある。
☑ 骨や肉を煮立たせ、不純物が浮いてきたら出汁を捨て、水を取り替えてもう一度煮立たせてスープをとる。
☑ 胸肉は長く煮すぎると肉がやわらかくなりすぎてしまうので、1時間煮たところで取り出す。
☑ ゆでた胸肉は冷水で冷やすか濡れたふきんなどに包んでおき、表面が乾いたり肉の色が変わるのを防ぐ。
☑ 長ねぎの辛さをやわらげたいときは冷水につけておく。
ソン・ドンジュ:
CJフレッシュウェー メニュー開発/コンサルティングパート 主席シェフ
CJ調理師教育専門/ 韓国料理のクッキングクラス担当