小説『愛のあとにくるもの』
2024-05-15
結婚して一緒に暮らすようになって感じるんですが、主人の喜ぶような食事を作ってあげたいんですが、なかなかうまく行きません。美味しいとは言ってくれるのですが、果たして本当に満足しているのか。韓国人夫の舌を納得させるコツはありませんか?
韓国人夫の舌を納得させるコツ、正直、私も知りたいくらいです。未だに苦労してます、というか年をとりますます難しくなってきました。実はこれ私の教育が間違っていたのではと反省しています。そこで今日は私のような間違いを起こさないように彩さんに夫の舌を教育する方法をご紹介したいと思います。
彩さんのご主人は日本に5年間も留学していたということで、彩さんの家庭料理の中でも日本料理では肉じゃがやカレーライスがお好きだとか。
一方、うちの夫は結婚して間もない頃、奥さんの料理はどうですかと友人に聞かれてこんな風に答えたことがありました。「입이 맞아서 다행이다イビ・マジョソ・タヘンイダ」입에 맞다というのは口に合うということで、食べ物の好みが似ているということです。主人の実家の味と私の実家の味が似ているので、幸いだということでした。
確かに私は主人のお母さん、シオモニの料理はすべて口に合い美味しく食べています。主人も私の作る日本料理、すき焼きとかてんぷらなどは美味しくといってくれます。ところがここで安心したのが間違いでした。すき焼きは好きでも、カレーライスは嫌い、シチューも嫌い、餃子は韓国式の饅頭(マンドウ)はいいが、日本式の餃子を作ったら「なんだこれ」と言われてしまいました。
そのため子供たちはカレーでもシチューでも私の作る物はなんでも食べてくれるのに、主人用には韓国料理や日本料理でも彼の好みに合う物だけを作るようになりました。
これが間違いでした。若い頃に教育してカレーでもシチューでも何でも食べられるようにしておくべきでした。普通は年をとれば母親の味よりも妻の味に染まってくると言われますが、我が家の場合、年齢を重ねるにつれ、韓国料理だけを好むようになり、かつシオモニのお袋の味を私にも求めるようになってきて、本当に困っています。
ということで彩さん、まだ柔軟性のある若いうちからどんどんいろいろな料理、それも彩さんが好きな、彩さんがうまく作れる料理をどんどん食べさせてご主人の好みを彩さんに近づけるようにしましょう。年をとると人間、どんどん頑固になっていきますから、若いうちがチャンスです。
2024-05-15
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