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ライフスタイル

白頭山噴火

2019-04-24

玄海灘に立つ虹

© KIGAM

先週、ポータルサイトの検索上位に「白頭山」「白頭山火山爆発」という言葉があがってきていました。白頭山は北韓と中国の国境に位置する山で海抜2760m、韓半島で一番高い山であると同時に、建国神話の聖地でもあります。去年、ムン・ジェイン大統領らが平壌を訪問した際に、ここを訪れて感激していたことでも知られています。

この白頭山は確かに、付近に温泉もある活火山ですが、なぜ突然、噴火などという話が飛び出してきたのでしょう。理由は15日に国会で開かれた「目覚める白頭山火山」というシンポジウムでした。この席で韓国の大学や研究機関、海外の専門家らが警鐘を鳴らしたのです。どんな話が出たのでしょう。

白頭山のエネルギーの規模について「946年の噴火は、過去1万年に地球上で起きた最も大きい噴火で、これは東日本大震災の4倍の規模にあたる」との説明がありました。

また釜山大学のユン・ソンホ教授は、

「(白頭山の頂上にあるカルデラ湖の)天池にある20億トンの水が地下から湧き上がるマグマと出会うと爆発的な噴火となる。土石流や火山泥流なども発生し、周辺地域を荒廃化させると同時にインフラや環境破壊をもたらす」

と発表しました。ユン教授のチームが2015年におこなったシミュレーションでは964年と同じ条件で噴火したら、

「噴火後に北東風が吹く場合、韓国全域に火山灰が積もり済州空港を除く国内すべての空港が最長39時間閉鎖する」などの被害が起き、その被害総額は約112000億ウォン(約11200億円)と算出しました。

韓国地質資源研究院のチ・ガンヒョン研究員は、中国の火山観測所が2012年に発表した研究データを元に

「安定期には毎月平均7回だった地震の発生数が200205年の活動期には平均72回に増加した。特に200311月には243件に達し、その大部分が天池の地下約5キロの深さで起きた。同じ時期、天池を中心に放射型に平均4センチ、最大7センチ膨張し、垂直に7センチ上昇した。しかし活動期以降、垂直上昇の動きは鈍くなり、2008年には垂直下降を始めた」

と発表し、すぐに噴火するような状況ではないことが分かりました。

現在白頭山については国際的な次元での研究が行われています。2011年に結成された米英中朝4か国で構成される研究チーム『MPGG(The Mt. Paektu Geoscientific Group)』を中心に行なわれている。しかし韓国はその研究に参加できていません。

韓国の学者は、これまで中国側との協力を通じ、白頭山噴火予測を含む白頭山研究に必要な情報を得たり共同調査をしようと、努力してきました。しかし中国政府は韓国の地質学者たちに白頭山と関連する共同研究はもちろん、資料の提供も許可していません。そこで韓国は南北の共同研究を通じて、研究に参加しようとしています。 今回のシンポジウムもそのための動きの一つでした。すぐに噴火するという状態ではないようなので安心しましたが、でも「備えあれば憂い無し」と言います、最近は韓国でも地震が起きています。白頭山についてもしっかり研究して欲しいですね。

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