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ライフスタイル

新型コロナウイルス―大邱が感染者0人に

#マル秘社会面 l 2020-04-22

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News

韓国の新型コロナウイルス流行の中心となっていた慶尚北道大邱市、2月18日に最初の感染者が発生し、その後多い時には一日に数百人の感染者が出ていた大邱で今月10日に感染者0を記録しました。最初の感染者発生から52日目のことでした。

大邱市の副市長は10日「昨日一日、大邱では追加感染者が一人も発生しませんでした」と発表しました。

大邱では2月18日に大邱での最初の感染者、全国的には31番目の感染者である61歳の女性の感染が明らかになり、その後2月29日には1日の感染者が741人と最大を記録し、3月初旬には1日の感染者数が300-500人の間を行きかいました。それが今月に入り大きく減少し、4月1日20人、2日21人、3日9人というふうに減少を続け10日にとうとう0 になったものです。その後また一桁台で発生、17日にもまた追加感染者0を記録しています。

最大741人からここまで減らした大邱の状況について、ハンキョレ新聞のキム・イル記者が書いた記事がありますので、ご紹介したいと思います。

一時は「大邱封鎖」という言葉さえ与党の関係者の口からもれた状況でしたが、それがここまで回復できたのにはいくつかの要因があると分析しています。

その一つは、全国から集まった人々の協力だといいます。政府や地元の公務員は睡眠時間を削って感染拡大を食い止めるために努力しました。医療陣は全国から数千人の医療陣が大邱に駆け付け、地元の医療陣と共に感染者の治療にあたりました。また全国各地からは人だけでなく、救援物資や生活必需品なども届きました。

二つ目は感染の中心となった新天地イエス教会の信者を大邱だけではなく全国規模で探し出し、全数検査を行い隔離したことです。その間、1カ月もかかりませんでした。大邱の感染者の6割が、この新天地イエス教会の信者でした。

三つ目は感染者の急激な拡大で病床が足りなくなったときに打ち出された生活治療センターに軽症の患者を収容するという対策です。生活治療センターの開設により自宅待機を余儀なくされる感染者を大幅に減らすことができました。

四つ目は大邱という都市の特徴です。大邱は保守的、閉鎖的な都市と言われています。これが今回はプラスに働いたとキム記者は分析しています。 

「保守的な大邱市民は官に協力的な態度を持っています。大邱市の外出自要請が出た直後から、大邱が幽都市にわった理由です。先月第1週の大邱の市バスと都市道の利用客は、それぞれ普段の31.8%25.4%まで落ちみました。同期間、大邱の高速市外バスと道の利用客もそれぞれ普段の5.2セントと10.4セントに急減しました」

また大邱市の自然環境についても触れています

「大邱に住んでいる人のほとんどは大邱や慶北道、慶南道など周地域の出身です。光客や訪問客もあまりいない閉鎖的な都市です。その中で大邱市民は“く”暮らしている方です。大邱の面積は883平方キロメトルで、ソウ(605平方キロメトル)より大きいのですが、大邱には243万人、ソウルには973万人が住んでいます。大邱の人口密集度はソウルの6分の1しかありません

新型コロナウイルスの感染者増加は、韓国の場合、最初の大きな波は地方都市大邱での爆発的な増加でした。そしてその次の第2の波が海外からの帰国者による感染です。大邱でもいまだに1人とか2人とか感染者はでています。しかし一時のような危機的な状況は去ったといえます。

あれだけの危機的な状況だった大邱が落ち着いた理由の中に市民の保守的気質と閉鎖的な地域環境をあげていたこの記事は、大邱が地元の記者の書いた記事だっただけによりうなずけるものがありました。

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