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ライフスタイル

南極基地で作ったスイカ

#マル秘社会面 l 2021-12-08

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News

韓国の南極観測基地世宗科学基地では今、サムチュ、トマト、スイカを栽培しています。野菜栽培の実験ではありません。越冬隊員たちの食料としてです。韓国経済新聞に掲載された内容をご紹介しましょう。

今年1月から南極で生活している第34次越冬隊のユン・ウイジョン隊長は


「最近収穫したカボチャでホバクジョンとテンジャンチゲを作り隊員らとともにおいしく食べました。サムギョプサルによく育ったトウガラシも一緒に食べました。南極の氷で作ったスイカのファチェ(フルーツポンチ)は本当に特別でした」


と話します。現在、世宗基地には17人の隊員が生活していますが、週に1回は直接収穫した新鮮な野菜を食べています。これは農村振興庁と極地研究所が去年10月南極基地に送った室内農場が本格的に稼働したからです。

今年初めに南極に到着した室内農場は2カ月間の設置作業と試運転を終え5月7日に種をまきました。隊員は6月から室内農場で直接収穫した新鮮な野菜でチゲ、スープ、ナムルなどの料理を作っています。


南極では野菜の栽培は不可能です。寒さもありますが、南極は地上で最も乾燥した白い砂漠と呼ばれる地域だからです。南極には地球の淡水の約70%が集まっていますが年間降水量は500ミリにすぎずとても乾燥しています。南極でも暖かい側に属する世宗基地の季節別平均気温は、10~3月の夏季は氷点下2.5度、4~9月の冬季は氷点下5度、さらに冬の酷寒期には最低気温が氷点下25.6度まで下がります。


これまで新鮮な野菜は隣接国のチリの基地を通じて年平均4回チリ産のリンゴ、ナシ、バナナなどの果物と、ジャガイモ、ニンジン、タマネギなどの野菜を補給していました。しかし昨年は新型コロナウイルスにより周辺の基地との往来が中断され、6カ月以上生鮮食品の補給が中断されました。


そのため農業振興庁と極地研究所は世宗科学基地に新たな室内農場を計画しました。農業振興庁は2010年に輸出コンテナを葉野菜栽培用の植物工場に改造して送っています。しかしこの室内農場ではサンチュなど葉野菜しか栽培できませんでした。新たな室内農場では葉野菜とともにカボチャ、トマト、スイカのような実野菜まで栽培できるようになりました。


室内農場はコンテナ2棟を合わせて作った一種のスマートファームです。発光ダイオード(LED)を人工光として利用し、南極の室内農場の環境情報がクラウド基盤のデータベースに収集されます。そしてソウルの農業振興庁が農場の栽培環境をリアルタイムでモニタリングして作物栽培に問題がないようサポートしています。

越冬隊員は6月からサンチュやケールなどの葉野菜を、7月からはキュウリやカボチャ、トウガラシなどの実野菜を収穫しています。8月中旬にはトマトとスイカも収穫しました。ユン隊長は


「葉野菜とトウガラシ、ミニトマトは何回も食べられる量を収穫し、カボチャは6個、スイカは4個収穫しました。今後機会があればイチゴやセリも栽培してみたい」と話しています。


現在南極には韓国を含め29カ国が83の基地を運営していますが、葉野菜と実野菜を同時に栽培できる室内農場がある研究基地は米国に次いで韓国の世宗科学基地が2番目です。野菜栽培は隊員の心理安定にも役立ちました。 ユン隊長も


「南極は周囲がすべて岩と土で、特に冬は雪が多く降りすべてが白く変わります。この時、室内農場に入ればさまざまな種類の花と実、青物野菜を見ることができ全く違う世界にいるように感じられ、少しの間でも南極にいるということを忘れられます」と話しています。


南極で育ったスイカと南極の氷でパッビンスを作ったら、間違いなく世界に一つだけのパッビンスになりそうですね。うらやましい。

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