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ライフスタイル

第714話 若者たちの暮らしの多様なトレンドについて

#アジュンマの井戸端会議 l 2023-06-27

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News
最近、韓国の不動産業界では、セルフストレージ(self storage)が新しいトレンドになっています。これは、個人の住宅で入りきらない家具や荷物を一時的に保管できる倉庫を提供するサービスで、韓国語では、共有型個人倉庫などと呼ばれています。都心にある建物や電車の駅の中につくられたキャビネットやブース型の倉庫を、毎月一定の額を払って、レンタルするサービスです。韓国の商業用不動産リサーチ会社の調査では、韓国国内にあるセルフストレージ施設は300か所余りで、去年より50%以上増えているということです。

セルフストレージサービスが注目されているのは、一人暮らし世帯の増加と不動産価格の急騰など社会的な現象と関係があると分析されています。ソウルなど首都圏の不動産価格は売買はもちろんのこと賃貸価格も上がるばかりで、しかも賃貸詐欺も頻繁に起きている状況です。金利も高くなっていることから、月々の家賃の負担も増えています。スクミョン女子大学のソ・ヨング教授は、「不動産価格の急騰で、若者たちの間で、広い家に住むことはあきらめ、その代わりに趣味にお金を使い趣味活動を楽しむ文化が広まっている。そのため、大きくてかさばるスキーボードやサーフボード、キャンプ用品、フィギュアやプラモデルなど趣味活動に関するものを保管するところが足りなくなり、セルフストレージのような保管サービスを利用するようになっている」と分析しています。

こうしたことを背景に若者たちの住環境が多様になっていることで、もう一つ注目されている住居形態があります。コリビングハウスです。コリビングとは英語で「一緒に暮らす」という意味で、複数の人が共同で暮らす方式です。シェアハウスやルームシェアという形態もありますが、これらは、単に居住空間をシェアするものである反面、コリビングは、住居として暮らすためのものだけではなく、リモートワークを行える環境が整っているため仕事空間を共有でき、さらにカフェやフィットネスクラブなどの施設がコリビングハウスの中に設けられていることも多いのが特徴です。

コリビングハウスが注目されているのは、まさにこうした点からだそうです。つまり「他人に干渉されるのは不本意だけれど完全に一人になるのも嫌だ」と考える若者が多いというのです。一人でいられる空間はあるけれど、誰かと一緒に食事をしたり、仕事をしたり、趣味の集まりをつくったりする「緩い交流」が可能だというのが、コリビングハウスのメリットだといいます。コリビングハウスの住人同士は、仕事をしていても運動をするにしても一緒の空間で過ごすことが多くなるので、自然と距離感が縮まり、新たなコミュニティをつくることもできます。実際、7か国のコリビングサービス企業が集まる団体で去年、5か国のコリビングハウスの入居者462人を対象に行った調査で、コリビングハウスでの生活で最も期待しているのは「新たな体験」(78.8%)で、次いでソーシャルネットワークの拡大(58.9%)などという回答が多く、若者たちの、誰かとつながっていたいという気持ちが反映されたものとなっています。

また、都会での生活をやめて故郷に帰ったり、地方に行って農業を始める若者も増えているといいます。帰農と帰村に関する農林水産畜産部の2020年の統計によりますと、帰農は50代と60代が中心ですが、30代以下も10.9%を占めており、帰村するのは半数が30代以下だということです。

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