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ライフスタイル

第717話 アスパルテームとマッコリ

#アジュンマの井戸端会議 l 2023-07-18

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank
梅雨の時期で、雨が続いています。雨の降る日はマッコリにパジョン(海鮮とねぎのチヂミ)が食べたくなると、韓国ではよく言われますが、そのマッコリの消費に待ったがかかるようなニュースがありました。
人工甘味料「アスパルテーム」について、WHO=世界保健機関の専門機関が、「発がん性の可能性がある」という見解を示したのです。

アスパルテームは1980年代から各国で食品添加物として、ガムやアイスクリーム、ヨーグルトといった食品や低カロリーの飲み物などで幅広く使われていますが、「現在韓国で販売されているマッコリの60%ほどで使われている(大型スーパー、Eマートの関係者)」ということです。アスパルテームは、砂糖の200分の1を使うだけで、砂糖と同じくらいの甘さを出すことができるため、最近では、高血圧や肥満を引き起こす砂糖に代る甘味料としてむしろ注目されていました。

アスパルテームを使っているマッコリメーカーは、許容基準に合わせて、一部の製品に平均0.0025%ほどの少量を使っている状況であるため、「発がん性の可能性がある」というWHOの発表に困惑を隠せない雰囲気です。韓国食品医薬品安全処によりますと、体重60キロの人の場合、アスパルテームの1日の摂取許容量を摂取するには、アスパルテーム72.7mlが含まれているマッコリ750mlを33本飲まなければなりません。アスパルテームの使用自体はそう問題にはならないという意味です。

それでも業界では、関係機関の方針が決まれば、それに合わせて早急に対応していくとしています。韓国マッコリ協会の関係者は、「韓国政府の政策や食品医薬品安全処の基準が明確にならないと、具体的な措置を取ることはできないだろう」と話しています。一方では、食品医薬品安全処などの措置などとは関係なく、アスパルテームを製品から排除しようというメーカーの動きも活発になるものとみられています。アスパルテームが発がん性の可能性があるという情報がすでに広まっている状況で、アスパルテームが安全だと消費者を説得するよりは、アスパルテームが使われていない製品であることを強調するほうがより効果的ではないかという判断からです。そのため、アスパルテームを代替する甘味料の開発などに弾みがつくだろうという見方もあります。

マッコリ業界は、代替甘味料を適用したレシピ変更はそう無理なことではないという立場です。すでにそうしたレシピを確保している場合が多い上、一部の天然甘味料の場合は大量生産が困難なことにより需給の問題はありうるものの、技術や費用の面ではそう負担にはならないということです。さらに、アスパルテームだけでなく、甘味料が使われていないマッコリの製造が増えてきていることも、業界の負担を軽くしています。とはいえ甘味料を変えると、味に微妙に変化が生じることも考えられるため、消費者の評価などに時間がかかるだろうとの見方もあります。

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