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ライフスタイル

バレーボール 期待の星

#マル秘社会面 l 2023-11-15

玄海灘に立つ虹

ⓒ KOVO
最近テレビのスポーツチャンネルではバレーボールの中継をよくしています。それも女子のプロリーグの試合です。その韓国女子バレーボールに登場した新人選手が話題になっています。その選手とはメガワティー・パーティウィ選手です。名前からも分かるように外国人選手、インドネシア人です。
韓国の女子プロリーグ、これまでもアメリカ人やハンガリー人などたくさんの外国人選手が活躍してきました。しかしメガワティ―選手は特別です。なぜかというと試合中もイスラム教の戒律を守るためにヒジャブを巻いているからです。ヒジャブは韓国でも日常的によく目にするようになりました。東南アジアなど、イスラム教徒の国から韓国に遊びに来る観光客の皆さんが多いからです。明洞などを歩いていてもヒジャブ姿の若い女性の姿をよく見かけます。しかし街では見かけてもバレーボールのコートで目にするのは初めてです。メガワティ選手、普段は登録名のメガと呼ばれていますが、メガ選手は今シーズン韓国プロバレーボールに初めて導入されたアジア・クォーター制を通じて韓国にやって来ました。イスラム教の戒律を守るために、日常生活だけでなく試合中にも頭にヒジャブを巻き、手足には黒いカバーをつけています。先月26日、メガ選手が属する「大田正官圧」は強豪「興国生命」を相手に劇的な逆転勝利を勝ち得ました。この時に、両チームを通じて最多得点の31点をマークしたのがメガ選手でした。その姿だけでなく、実力でも今、注目を浴びているのです。彼女は朝鮮日報とのインタビューで
「ヒジャブを巻いてプレーするのは不便ではないのか、とよく聞かれます。韓国ではこういう姿は異色なので、注目されるのは理解できます。でも、インドネシアではごく自然なことなのです。全く不便ではありません」
と答えていました。また自分のバレーボールについて
「最大の長所は強力なスパイク」「好きなバレーボールを毎日一生懸命にやることが目標です。有名になることや賞を取ることは、バレーボールを頑張っていれば付いてくる一種のボーナスのようなものなので、追求すべき目標ではありません」
と述べています。そして所属チームもいろいろと配慮をしています。食堂で彼女がイスラム教徒がタブーとする豚肉を誤って食べないようにと、注意書きを表示しているほか、韓国外大インドネシア語専攻の学生を個人通訳としてつけています。
メガ選手がより広い世界でバレーボールをしたかったと韓国にやって来たのとは反対に、日本の石川祐希(いしかわゆうき)選手にあこがれ日本の高校に留学した韓国の中学生もいます。ユン・イジュン君は中学2年の時に、バレーボールのプロリーグでコーチをしている父に、日本に留学したいと言い出しました。イジュン君は小学4年生の時からバレーボールをしており、通っている中学でも注目される選手でした。しかし日本の高校に入学するには日本人の生徒と同じ入学試験を受けなくてはいけません。イジュン君は中学3年になるとバレーボール部の訓練が午後7時に終わると、その後深夜まで日本語の勉強を続けました。そして今年イジュン君は大阪の桃山高校に入学しました。
桃山高校のバレー部の部員は28人。プロコーチである父の目には日本の高校のバレーボール部は韓国の高校とはずいぶん違って見えました。何よりもバレー部員も指導の監督もバレーボールをすることを楽しんでいました。そしてトップクラスの選手も他の部員と同様に審判、掃除、点数記録などを交代に行っていました。日本ではエリート選手も普通の部員も区別はありません。勉強も同様です。桃山高校では国数英など11科目の平均が40点以下だと進級できません。日本語がまだうまくない留学生のイジュン君も例外ではありませんでした。1学期の中間試験の成績が悪かったイジュン君に対し、バレーボール部の監督は期末試験の時には同じ学年の生徒を家庭教師としてつけてくれました。そのおかげで成績もあがり、無事進級もできそうです。イジュン君の今の目標は日本の大学に進学し、その後ヨーロッパリーグに進出することです。韓国にいる両親は「息子は日本でバレーボールに狂っている。何よりもバレーボールが楽しくて仕方がないというのだから、どうしようもないです」と満足そうです。
インドネシアから韓国に来たメグ選手、そして韓国から日本に行ったイジュン君、夢を追う若者たちは見ているこちらも気持ちがよくなるものですね。

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