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ライフスタイル

観光バスの火災事故

2016-10-19

玄海灘に立つ虹

観光バスの火災事故
13日に京釜高速道路で観光バスから火災がおき、乗客10人が死亡し7人がけがをするという事故が起きました。この事件、日本でも大きく報道されました。当日のNHKニュースの一部をご紹介すると
韓国の国民安全庁によりますと、13日午後10時すぎ、韓国南部、ウルサン(蔚山)の高速道路で、大型の観光バスから火が出ました。火は瞬く間にバス全体に燃え広がり、乗客と運転手合わせて20人のうち、10人が逃げ遅れて死亡したほか、7人がけがをして病院で手当てを受けています。乗客のほとんどは、韓国の化学品メーカーの元社員やその家族で、中国への旅行から帰国したあと、空港から移動中だったということです。
今回事故にあわれたのは、会社に同期入社し定年退職したお父さんたちとその奥さんたちでした。会社を退職し、まさに第2の人生を歩み始めようとした矢先の事故でした。主にバスの後方座席に座っていた方々が逃げ遅れて亡くなられました。
事故は運転手の加速と無理な割り込みなどが原因でバスが道路わきの壁に衝突し火を吹きました。さらにそのまま停車したためバスの入口のドアが開かず、乗客は窓ガラスを割って逃げ出そうとしましたが、窓ガラスを割るハンマーが車内のどこにあるのかもわかりませんでした。
運転手が消火器で割った運転席の後ろの窓から逃げ出せた人だけが助かりました。その運転手、これまでにも飲酒運転などで何度も免許停止になっている経歴があるほか、今回の事件の際にも一番先に逃げ出したということで、大きな非難を浴びています。この事件と関係していろいろな報道がされていますので、一部をまとめてご紹介しますと、朝鮮日報のコラムでは
2009年に米国で旅客機が川に不時着した事実を描いた映画「ハドソン川の奇跡」に出てくる機長や、「タイタニック」に登場する船長のように、自分よりも乗客を最優先に考える偉大な人物になれと言うのではない。定められたルールについてしっかりと教育を受け、いざというときそのルール通り行動してほしいだけだ。
ソウル新聞では入口のドアが塞がれてしまったときのために非常口が必要、ヨーロッパなどではバスの天井に脱出口を義務化、ハンマーも増やし固定すべきではないといった見出しとともに
交通安全公団によれば観光バスをはじめとする国内10人乗り以上のバスは非常の脱出のためにガラスを割ることのできるハンマーを前に2個、後ろに2個など合計4個設置することが義務付けられている。しかし乗客が好奇心で持ち帰り、4個そろわないままで運行されているバスもある。一部のバスは紛失を防ぐために固定されている
と指摘しています。毎日経済新聞はその社説で
交通事故の90%は運転手の過失で起きる。今回の事故の運転手は1988年からこれまで飲酒と無免許運転を含めて12件の交通関連前科があった。このように問題の多い運転手に大型車の運転を任せるときには特別な管理監督と教育が必要だが、果たしてどんな措置があるのかが疑問だ。大型バスやトラックを4時間運転したら30分休むようにする原則もまだ言葉だけだ。車の製作段階から安全基準を画期的に高め、居眠り、過労、飲酒、乱暴運転を防ぐための取締りと処罰を大幅に強化すべきだ。
結局でてくるのは規則や取締りを強化し、法で何かをしようということばかりです。修学旅行の生徒が亡くなった旅客船セウォル号の船長も、そして今回のバスの運転手も乗客を置き去りにして一番先に逃げ出したと非難をあびています。一方で今回の事故で乗客の避難を助けた一般のドライバーの美談も紹介されています。死亡した乗客も、逃げ出した運転手も、そして助けた市民もみんなおじさんたちです。何が運命を分けるのでしょうか。結局、明日はわが身と思い、被害者にも加害者にもならないように生きていくしかないようです

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