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ライフスタイル

ロウソクデモの歴史

2016-11-30

玄海灘に立つ虹

ロウソクデモの歴史
今日は韓国のロウソクデモの歴史 について振り返ってみたいと思います。
韓国にロウソクを手にしたデモが登場するのは1970年代からです。街頭での集会が厳しく規制された時代、ロウソクデモは大学の学内での集会や、カトリックの司祭たちの祈りの場などの制限的な場で行われていました。
市民たちも参加するロウソクデモが本格的に登場したのは1987年6月10日のことです。
全斗換大統領が軍事独裁を維持するために大統領直接選挙への改憲論議を禁じ、それに対し民主化をのぞんだ大学生と市民が立ち上がり、都心でのデモが行われました。
デモを終えた市民と大学生らは明洞の明洞聖堂に立てこもりデモを続けます。このときに政府の強行対応に対し明洞聖堂のキム・スファン枢機卿の言った有名な言葉があります
「学生たちを逮捕するなら私を踏みつけて、その次は神父と修道女を踏みつけて行きなさい」
その後、学生らにネクタイ部隊と呼ばれた会社員ら市民も加わり、火炎瓶と投石の暴力的なデモではなく、ロウソクを手にする平和的なデモが初めて明洞で行われました。
ソウル市庁前や光化門で現在のようなデモが行われるようになったのは2002年6月のことでした。6月10日、京畿道議政府市で駐韓米軍装甲車に女子中学生2人が轢き殺されるという事件が起きました。事件後、装甲車を運転していた米軍兵とその指揮官らはアメリカの軍事法廷に起訴されましたが、裁判の結果は全員無罪でした。
この結果に抗議し11月30日、インターネットを通じて光化門の教保ビルの前でロウソクデモを行おうと言う提案が行われ、この日に1万個のロウソクが点りました。そして12月14日市庁前で10万人が参加するロウソクデモが行われます。

その後も都心でのロウソクデモは重要な案件が起きるたびに続きます。
2004年3月20日、ノ・ムヒョン大統領の弾劾案が国会を通過したのに反対するロウソクデモが行われ、このときには主催者側の発表で20万人の市民が集まり、弾劾案の無効を叫びました。
2008年5月2日から8月15日までには全国で2400回ものロウソクデモが行われ、警察推定延べ人員93万人が参加しました。このときのデモはアメリカ産の牛肉の輸入に反対するデモでした。
ロウソクデモはこれまで、国民が直接強力な政治的な意志を表出しようとしたときに行われてきました。そしてそれまでの火炎瓶と投石に代わる新しいデモの形式だとしてだんだんと定着してきて現在に至っています。確かに国民が直接その意志を口にするのは良い事だとは思いますが、では国民の意志の代弁者である政治家たちは何をやっているのか、ロウソクデモまで起きないと何もできないのかと思えてしまうのは、政治家への期待が大きすぎるのでしょうか。

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