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ライフスタイル

高卒で副会長

2016-12-07

玄海灘に立つ虹

高卒で副会長
大学への進学率70%を超えるという韓国では、就職するには学歴が大切だという考えがその根底にあるのだと思います。しかしそんな常識を吹っ飛ばすような人事が発表され注目を集めています。高卒なのに大企業の副会長まで上り詰めた、まさにサラリーマンのロールモデルといえるような人物をご紹介しましょう。
話題の人は1日付けでLG電子のCEOに任命されたチョ・ソンジン副会長です。チョ副会長は1976年に当時は金星社と呼ばれたLG電子に入社し、それから40年間、主に洗濯機の開発と研究に没頭してきました。
チョ副会長は2013年にLGグループでは初めての高卒の社長に就任し、それから4年で、今回は CEO兼副会長となったのです。それではその人生をいくつかのエピソードで振り返ってみましょう。

その1.父は忠清南道大田で陶磁器を焼く陶工でした。五人兄弟の末っ子、チョ・ソンジンさんに対して父は家業を次がせようと思っていました。それで彼をソウルの工業高校の陶芸科に進学させようとします。しかしチョさんが選んだのは龍山工業高校機械科でした。父には内緒の選択で、1年後、その事実を知った父はしぶしぶ承知しました。

父の跡を次いで陶工になることはありませんでしたが、汗水たらしてようやく完成した作品でも、少しでも傷があれば容赦なく叩きつけて壊してしまう厳しい陶芸の世界。そんな父の後ろ姿を見て育った彼は、製品は完璧でなければならないという哲学を身に着けます。

その2.金星社入社の頃、当時の花形電化製品は扇風機と炊飯器でした。洗濯はまだ手洗いの時代。それから40年間、1976年の入社から2012年末まで彼は洗濯機の開発にだけ没頭します。

最初は日本の技術をひたすら見習い、10年間に150回も日本に出張したといいます。そして工場の2階にベットと炊事施設を整え、同僚たちと合宿しながら開発を続けました。目標は「脱日本、技術独立」でした。

その3.2013年に社長に昇進後、4月にはソウルヨイドにある社長室の床のカーペットをはがさせ。フローリングに変えます。開発中だった掃除ロボットを直接テストしてみるためでした。

自宅でも常に会社で開発中の家電製品6,7個を直接使用しています。そして自分の作ったすべての製品を直接使用して、部品の一つ一つまで取り出して手にとってみないと気が治まらないといいます。
チョ副会長は自らの成功秘訣を「現場での経験を早く、そしてたくさんできたのが自分の資産だ。多くの失敗と試行錯誤を繰り返した挙句にLGの洗濯機を世界1位にすることができた」と語っています。
韓国ではこれまでにも銀行や保険会社、公務員試験などでは高卒でもトップまで上り詰めたという人がいました。しかし大企業、メーカーで今回のように副会長、CEOになった人は初めてです。あまり明るいニュースの無い今日この頃、久しぶりの明るい話題でした。

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