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ライフスタイル

交通事故の明暗

2017-01-04

玄海灘に立つ虹

交通事故の明暗
ソウル市が3日、2016年の交通事故死亡者数を発表しました。343人でした。これは交通事故数の集計を始めた1970年以後、初めて一日平均で1人未満に減少したものでした。
1970年には1日平均1.46人が交通事故で亡くなり、1980年代になり自動車数が急増するのにともない、その数も1989年には1日平均3.76人にまで達しました。
しかし2000年代に入り政府の総合的な政策が進み、2014年が400人、2015年が376人となり、去年は343人まで落ち込んだものです。ソウル市の関係者は
「ソウル市はさらに2020年までに交通事故の死亡者数を現在の半分以下にするという目標を立てています。2012年には424人だった死亡者数を2020年までに200人以下にしようというものです」
と語っています。またソウル市都市交通本部長は
「ソウル市の交通事故死亡者減少目標はこれで半分くらい到達したことになります。2020年までには交通事故の死亡者数を海外の主要都市水準の人口10万人当たり 2.0人、一日平均0.6人水準まで改善するように、関係機関とともに持続的な努力を続けていきます」
としています。このようにソウル市の交通事故死亡者数が減ってめでたしめでたしのようですが、本当にそうでしょうか。実は、増えているものもあります。何かと言うと、配達用のオートバイによる事故です。
韓国ではスマートフォンの配達アプリケーションの種類が増え、それに伴い利用者も増加、業者間の競争が激しくなり、1分1秒を争う配達競争の結果、オートバイによる事故が増えています。
3日にソウル市が発表した2016年の交通事故死亡者数343人のうち、オートバイなど二輪車による事故の死亡者数は64人で、これは死亡者全体の18.6%を占めるものでした。2011年の21.8%に次ぐ、この5年間で2番目に多い数字でもあります。
ソウル市はこれに関して
「ソウル市の二輪車の交通事故死亡者数比率は全国平均の13%よりも6%ポイントも高くなっています。これはスマートフォンを利用した配達文化が活性化し、配達過程で発生する事故が増えているためだと思われます」
と説明しています。韓国最大の配達アプリ「配達の民族」によればソウル地域の配達注文者数が2015年には1600万件だったのが、去年は2500万件でおよそ56%も増加したといいます。そのためソウル市も
「最近増えているオートバイの交通事故の減少のために宅配、飲食配達、配達アプリ業者などと協力して配達従事者に二輪車関連の交通事故事例および安全運転教育などを実施する予定」
だとしています。これに対して配達アプリ業者などは、配達アプリの人気がオートバイ事故の増加と結び付けられるのは心外だと反発しています。
1日に1人は交通事故で死亡していたというソウル市が、ようやく1人以下にその数が減ったのは本当に喜ばしいことです。でもオートバイによる事故、確かによく見かけます。そしてそういう事故の当事者は若者が多いというのもやはり問題だと思います。1日の死亡者数ゼロを目指して、今年も安全運転を心がけましょう。

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