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ライフスタイル

小学生の一人ご飯

2017-02-22

玄海灘に立つ虹

小学生の一人ご飯
韓国でも最近は一人で食事をしたり、一人でお酒を飲んだり、一人で旅行に行く人が増えており、そういうお一人様文化をホンパブ族、ホンスル族などと呼んでいます。大人が一人旅をしたり、一人でお酒を飲んでいるのは雰囲気もあり、全然かまいません。新しい文化です。
しかしこれが子供の話だと問題になります。それもそのような子供たちをよく見かけるのが学習塾の周辺のコンビニやファーストフード店だと聞くと、思わず首をかしげてしまいます。今、子供たちに何が起きているのでしょうか。学習塾が密集している江南区テチ洞のコンビニにいた小学校5年生の男子は
「午前に論説の塾に行って、コンビニでお昼を済ませて、午後は数学塾です。お昼はこうやって一人で済ますことが多いです」
3月から6年生になるというこの男子、冬休みの間に論説、数学、科学、野球、フルート、英語、中国語、そして日本語の塾に通っていると言います。そして
「1週間に5,6回は一人で食事をします。ママと一緒に食べると勉強しろとうるさいので、むしろ一人のほうが気が楽です」
と言っています。このような子供たち、大部分が塾のスケジュールに追われているので、塾と塾の間の時間、あるいは塾の休み時間にあわてて簡単にコンビニで食事を済ますということです。コンビニでの食事にはこんな理由もあります。
「ママがコンビニで食べろって言うので。ママが忙しくて私の夕食まで手がまわらないから」
「一人で食堂に入って食べるのも嫌なので、まあコンビニなら気にならないし」

農林畜産食品部が去年12月に発表した「2016年外食消費形態分析」によれば一人で食事をする成人は月平均の一人で食べる回数が6.5回でした。1週間に2回以上一人で食べるという小学生はそんな成人の平均よりも一人で食べる率が多いことになります。
小学生10人のうち8人は塾を含む習い事に通っています。韓国の小学生の学校以外の1日平均学習時間は5時間23分で、これは平均4時間10分の大学生よりも長いと言えます。
韓国の教育ママたちは子供たちの登校時間を少しでも少なくするために、効率的な塾通いのために塾の密集している町に引っ越します。家と塾との距離を少なくするためです。そしてその空いた時間をさらに他の塾に行くのに利用します。食生活は勉強に比べれば、優先順位は当然後になるのです。
ハーバード大学の研究では 子供たちの成績の差は家族が集まる食事の回数と関連があるといいます。たとえ貧しくとも家族が一緒に食事を取り、その場で自分の意見を積極的に語れる家庭であるほど、優秀な子供たちが育つということです。
私が何より悲しいのは、こんな風に一人でご飯を食べながら一生懸命に勉強して一流と言われる大学を出ても、今は就職先がないことです。子供たちは何のためにこんな苦労をしているのでしょう。

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