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ライフスタイル

済州航空が仁川―福島断念

2017-03-01

玄海灘に立つ虹

済州航空が仁川―福島断念
先週驚いたニュースがありました。 LCC=格安航空の済州航空が、仁川と福島とを結ぶチャーター便の運航を断念したというものです。
済州航空は、3月18日と20日に仁川・福島間を2往復するチャーター便を運航する予定でしたが、乗務を拒否する乗務員が相次いでいるほか、この機体を利用する済州航空の別の路線を利用する乗客からも不安を訴える声が出ているため、来月の福島への運航計画を断念することにしました。
実はしばらく前にご近所の奥さんからこんなことを聞かれました。海外旅行の話をしている時でした。
「日本に行っても大丈夫かしら」と言われ思わず、「なぜ」と聞き返しました。あんなにたくさんの韓国人が日本に観光旅行に出かけている今、何を今更と思ったのです。それに対して彼女は「放射能が心配だから」というのです。思わず言葉に詰まってしまいました。
そのしばらく後に、このニュースを見たのです。もともとは福島の旅行会社が韓国に行きたい日本人観光客およそ100人を乗せる航空便を要請したのに伴い編成されたものでした。そしてこの臨時のチャーター便が飛ぶというニュースに対して一部の消費者から
「私たち家族が乗る飛行機が、もしかすると福島に行った飛行機かもしれないという不安があるので、予約を取り消した。今後もチェジュ航空には乗りたくない」
「一体、日本の旅行会社からいくらもらって、原発が吹き飛んだ場所に飛行機を送るのか」

という反発が起きたのです。さらに乗務員の中からも反発がでて、結局はチャーター便は取り消しということになりました。
済州航空も最初は
「福島よりもむしろソウルの放射能数値がもっと高い。福島運航に問題はない」
と言っていました。朝鮮日報も24日の記事で
こうした懸念は過剰だと専門家らは指摘する。福島空港は、事故が起きた福島第一原子力発電所から直線距離で57キロ離れており、放射線の値はソウルより低い。国家環境放射線自動監視網によると、17日午前6時の時点で、福島空港の放射線の数値は毎時0.07マイクロシーベルトなのに対し、ソウルは毎時0.09マイクロシーベルトだった。
インターネットには「単に福島と往復した飛行機に乗っただけで、放射線被ばくするはずがない。杞憂(きゆう)に近い」という意見も書き込まれましたが、結果は福島からの観光客の皆さんにとって不便なものになってしまいました。他の空港から来るのか、あるいは韓国旅行のツアー自体が中止になってしまうのかもしれません。
風評被害については聞いていましたが、こんな形で韓国で福島と関連した風評被害が出るとは思ってもいませんでした。今回過度な反応を示した人々に対して、無知だと言うこともできますが、日本の観光広報の際に詳しく、分かりやすく説明して人々の不安を取り除く努力も必要ではないかと、今回のニュースを見てつくづく感じました。

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