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ライフスタイル

コーヒー王の自殺

2017-07-26

玄海灘に立つ虹

コーヒー王の自殺
韓国人はコーヒーが大好きです。昼休みのオフィス街にはコーヒー専門店のコーヒーを手にして談笑している人々の姿を良く見かけます。そしてスターバックスに代表されるような外国のコーヒーチェーンに対抗するように、韓国で始まったコーヒーチェーンもたくさんあり、外国のチェーンに負けないくらいに盛業しています。

しかしその代表をしていた人物が24日、自殺していたのがみつかり注目を集めています。ニュースによりますと

コーヒーチェーン店「HOLLYS COFFEE」などを創業し、一代で成功を収めた韓国の「コーヒー王」ことカン・フン氏(KHカンパニー代表)が24日、ソウル・盤浦洞の自宅で首を吊って死亡しているのが見つかった。カン氏が経営していたKHカンパニーは14日、ソウルの裁判所に会社更生手続き開始を申請していた。

カンさんは経営していたデザート専門カフェ「マンゴーシックス」の売り上げが低迷し、経営が傾いたのを悲観し自殺をしたものと見られています。

業界ではカンさんを「コーヒー王」と呼んでいました。今の韓国のコーヒーチェーンブームの先頭を駆けてきた人物だからです。

カンさんは1997年に新世界グループの「スターバックス韓国出資チーム」に配属され、カンさんら4人は米国のスターバックス本社に派遣され研修を受けました。アジア金融危機でスターバックス出資は延期となりましたが、ハイスピードで成長する米国のコーヒー市場を目の当たりにしたカンさんは、韓国に帰国後に辞表を出し、韓国発のコーヒー専門店ブランド「HOLLYS COFFEE」を創業。4年後の2003年には50店舗まで規模を拡大します。HOLLYS COFFEEの成功後、2004年に会社をエンターテインメント企業に売却しました。

その後、2008年にコーヒーチェーン「カフェベネ」の社長として迎えられ、芸能人を使った攻撃的なマーケティングを展開し、カフェベネは店舗数で業界1位となりました。その後、2010年にカフェベネを退社して「KHカンパニー」を設立、デザート専門カフェ「マンゴーシックス」を立ち上げました。

業界関係者は

「彼のこれまでの20年は、韓国のフランチャイズ産業史の縮図のようなものです。彼は事業を攻撃的に推進しすぎて困難に陥ったようだが、根本的にはトレンド変化のスピードについていけなかったようです」

と語っています。
フランチャイズ各社は流行に合わせてブランドを展開し、加盟店拡大に集中して急速に成長するものの、人気が頭打ちになり成長が鈍ると、脆弱な財務構造のせいで経営が悪化しやすいといわれます。韓国公正取引調整院によりますと

昨年末現在で韓国のフランチャイズ企業は5273社。12年の2678社から4年で59%も増加した。しかし平均存続期間はわずか4年8か月。10年以上事業を継続しているブランドも12.8%にすぎない。

ということです。業界ではカンさんの死を「生き残るために必死で流行を追い、拡大競争に耐え抜くフランチャイズ業界の断面を示している」と言っています。

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