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ライフスタイル

おばあちゃんの修学能力試験

2017-11-08

玄海灘に立つ虹

おばあちゃんの修学能力試験
来週の木曜日は大学受験の関門、修学能力試験が実施される日です。全国の受験生がこの日のためにこれまで必死に勉強してきたわけですが、受験勉強したきたのは高校生だけではありません。今年の修学能力試験受験のために受験勉強をしているおばあちゃんたちがいます。
ソウル麻浦区にあるイルソン女子中学・高校は40代から80代までの女性を対象とした、中学、高校課程の学力認定生涯教育施設です。いろいろな事情で中学、高校に通えなかった女性たちが勉強をしている学校です。その高3の教室をのぞいてみると英語を教える若い女性の先生が

「修学能力試験が重要なのではありません。皆さんの健康のほうが大事なんです。さあ席に座ったままで肩の力を抜いて、背伸びをして」
と話しています。これに対して先生よりもはるかに年上の生徒たちは


「私たちは17歳、18歳です。先生はオンマ、アボジです」
「勉強が楽しくてたまりません、幸せです」


と楽しそうです。78歳のチャ・ヨンオクさんは

「30年前に胃がんの、6年前には大腸がんの手術を受けました。でも癌よりも貧しくて学校へ行けなかった恨が大きく、2年前に検定試験で中学過程を終えました。修学能力試験はまあともかくとして、卒業証書をもらったら一番に亡くなった父の墓に行くつもりです」

と話しています。授業内容は普通の高校3年生と全く同じ、ですから体育の時間もあれば英語や数学の時間もあります。特に英語の時間は修学能力試験の英語のリスニングに備えて、おばあさんたちは英語の単語の一つ一つにメモを書き込みながら勉強しています。
82歳のチャン・イルソンさんは京畿道南楊州から通っています。片道2時間、往復4時間の通学です。ヤンソン小学校を4年、イルソン女子中学を2年、イルソン女子高校を2年の合計8年、勉学のために通っています。教科課程を1年から2年、早く終わらせるために隔週で行われる土曜日の授業にも出席しています。
家に帰れば中学2年と、小学6年の孫の面倒をみるおばあちゃんに戻りますが、学校では高3の受験生です。大学は食品栄養学科を志願しています。すでに随時入試で受かった大学もあるのですが、家に近い他の大学を目指しています。
この学校の高3受験生の随時入試の合格率は100%です。今年は208人の生徒のうち 80%が修学能力試験を受験します。先生は

「随時試験での合格や、修学能力試験の受験は生徒たちにとってそれだけで満足できるものです」

そして先生は続けます

「卒業のときに普通は卒業おめでとう、と言いますが、ここの学校の皆さんには卒業、尊敬しますと言いたいです」

来週、修学能力試験を受験する全国の受験生の中にこのおばあさんたちも混ざっていることでしょう。

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