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ライフスタイル

韓国の伝統菓子、 薬果(ヤックァ)

2012-01-19

韓国の餅屋に行くと、茶色い、花のような形をしたお菓子を売っています。これが韓国の伝統的なお菓子、薬果(ヤックァ)です。薬果はお菓子として食べられただけではなく、韓国でご先祖をまつる祭祀のお供え物としても使われていました。

作り方は意外と簡単で、小麦粉に塩やシナモンを混ぜて蜂蜜などでこねて寝かした後、形を整え、中まで火が通るようにゆっくりと油であげて作ります。

薬果の漢字を見ると「薬」に、果物の「果」と書きます。朝鮮時代の実学者、丁若鏞(チョン・ヤギョン)がいろんな言葉の語源について研究した本をみると、薬果はもともとなつめや栗、梨など果物をかたどって作られていたため、お菓子で作った果物という意味で「果」という名前がつけられたのです。ところが、祭祀のお供え物は高く積み上げて盛らなければなりません。果物の形では重ねにくいので、今のような、平らな形に変わったとされています。また、韓国では古くから蜂蜜を薬とも呼んでいたため、蜂蜜でこねて果物の形にしたお菓子が薬果と名付けられたのだそうです。

薬果は韓国の祭祀に供えられるお菓子になったのは、薬果が魂を招く食べ物とされていたからです。この伝統は中国から由来しています。中国の戦国時代の歌に忠実な臣下がこの世を去った王を懐かしんで、蜂蜜と水飴を塗った小麦粉の餅を供えて王の魂を招いたという内容の歌があります。この歌に登場するもちが薬果の原形と見なされたため、薬果は魂を招く食べ物というのです。

小麦粉が米よりも高かった昔、薬果は宴や祭祀の時にしか食べられない貴重なものでした。高麗時代や朝鮮時代、中国の皇室に祝い事があるとき、贈り物としてこの薬果をもっていったところ、大変な人気だったという記録も残っています。

韓国旅行でにいらっしゃった時には定番のメニューだけではなく、中国の皇室にも喜ばれた韓国のお菓子、薬果を味わってみるのはいかがでしょうか。

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