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旅行

韓国の伝統音楽の世界に触れることができる国立国楽院

2010-05-04

韓国の伝統音楽の世界に触れることができる国立国楽院
韓国の伝統音楽、国楽には民を想う王の心、王や親に対する忠と孝の精神、偉大な自然を敬い、大切にする気持ちが溶け込んでいます。国楽というと何となく近寄り難いイメージがありますが、韓国の伝統文化と情趣、芸術が凝縮されている国楽を聞いたり、体感したりすることができる場所は意外と近くにあるのです。ソウル市瑞草区(ソチョグ)にある国立国楽院です。

国立国楽院は韓国の伝統音楽を後世に伝え、さらに発展させていくために1951年にオープンしたもので、来年、2011年にはオープン60周年を迎えます。しかし、国立の音楽研究機関という意味で、そのルーツをたどっていくと1400年あまりの伝統を持っていることが分かります。韓国には古くから国立の音楽研究機関があり、新羅時代の音声署(ウムソンソ)、高麗時代の大楽署(テアクソ)、朝鮮時代の掌楽院(チャンアグォン)など、音楽に関するすべてを司っていた官庁が設置されていました。日本による植民地支配の時代にも李王職雅楽部として伝統音楽の脈を守り、1951年4月10日、最初の国立国楽院が釜山に設けられたのです。このような長い伝統と歴史は日本や中国でも認められています。

国立国楽院内にある国楽博物館。1994年にオープンしたこの博物館には韓国の伝統音楽に関する歴史と資料が分かりやすく展示してあります。国楽歴史室、楽器展示室、映像室、体験室などの施設があって、300年から400年前の楽譜やその昔、王宮の宴で開かれていた演奏会の様子を描いた絵などが展示されています。伝統音楽の名人たちが着ていた衣装や使っていた楽器なども見ることができます。また、国楽の教育館があって、細長いバチで叩く鼓の一種であるチャングや笛、日本の琴に似た伽倻琴(カヤグム)などの伝統楽器の演奏法を習うこともできます。

国楽博物館を出た所にある前庭には小さな伝統文化体験コーナーが設けられています。太鼓、チャング、銅鑼、鉦など4種類の伝統的な打楽器で演奏するサムルノリの楽器を鳴らしてみたり、車輪回しや綱引き、少し離れた所に置かれた壷に矢を投げ入れる投壷(とうこ)などの楽しい伝承遊びを体験したりすることができます。

国楽博物館と伝統文化体験だけでも充分楽しめる国立国楽院ですが、せっかくここまで来たのですから、韓国の伝統音楽の演奏を聞いて帰りましょう。国楽の公演場としては韓国で最大の規模を誇る礼楽堂(イェアクタン)と小劇場の牛眠堂(ウミョンダン)ではほとんど毎日、国楽の公演が開かれています。曜日ごとに演奏される音楽のレベルやジャンルが異なるため、好みに合わせて演奏を選んで聞くこともできるそうです。

国立国楽院では韓国の伝統音楽を習う国楽教室も開かれています。外国人を対象にしたプログラムもあります。毎年3月と9月に開設される国楽文化学校は韓国に駐在している外国人を対象にしているプログラムで、12週間、3カ月にわたってチャングまたはサムルノリ、伽倻琴などを習います。伝統音楽を通じて韓国の文化に触れ、韓国の情趣を感じたいという外国人が増えています。目ではなく、心で韓国を知ることができるからです。瑞草区にある国立国楽院は韓国の音楽を体感することができる伝統音楽の空間なのです。

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