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旅行

韓国の歴史が息づいている国立中央博物館

2010-05-18

韓国の歴史が息づいている国立中央博物館

韓国にはアジアで最大の規模、世界で6番目の規模を誇る国立中央博物館があります。地下鉄4号線、二村(イチョン)駅の2番出口を出て少し歩いていくと、ソウル市竜山区(ヨンサング)にある国立中央博物館が見えてきます。現在の建物は2005年10月にオープンしたものですが、韓国の国立博物館の歴史は100年前にさかのぼります。1909年、朝鮮時代の王宮の一つである昌慶宮(チャンギョングン)に大韓帝国最後の皇帝、純宗(スンジョン)が王室に保管されていた書画や陶磁器、金属工芸品など6千8百点あまりを一般に公開するためにオープンした帝室博物館が韓国で初めての近代的な博物館といえます。帝室博物館はその後、波乱に満ちた韓国の近代史の波にさらされ、徳寿宮(トッスグン)、南山(ナムサン)、釜山(プサン)、景福宮(キョンボックン)など、10回も場所を移さなくてはなりませんでした。そして、2005年、現在の位置、竜山(ヨンサン)に新しくオープンした国立中央博物館は3年半で観覧客は千万人を突破、世界有数の博物館に数えられるようになりました。

地下1階、地上6階建ての国立中央博物館には展示室だけではなく、公演場や講堂、フードコート、ミュージアムショップなど、さまざまな施設が設けられています。広い博物館を効率良く見て回る方法は2つあります。その一つは展示解説を利用する方法です。韓国語での解説は1時間ごとに行われ、日本語、英語、中国語、フランス語など外国語の解説は1日に2回行われています。関心のある分野をじっくりと見たいという方にはモバイル案内サービスがおすすめです。モバイル案内サービスとはPDA、つまり映像音声案内機を利用して遺物など展示物について説明を聞くことができるものです。

国立中央博物館の常設展示エリアは3つのフロアにあって、1階には歴史館と考古館、2階には第1美術館と寄贈館、3階には第2美術館とアジア館があります。全体のコースは約4キロ、時間も11時間ほどかかるので何回かに分けて見るのも良いでしょう。常設展示を見るためには博物館の右側の展示館に入ります。メインホールを通ると、「歴史の道」と呼ばれる展示エリアに向かう中央廊下があります。この廊下は1階から3階まで吹き抜けの構造になっていてとても明るく、廊下の先には高さ13.5メートルの高麗時代の美しい石塔、「敬天寺(キョンチョンサ)十層石塔」が立っています。この廊下の両側に展示室が配置されています。

1階の考古館は旧石器時代から三国時代まで、つまり先史時代の韓国と古代文化を中心にした展示室です。一方、歴史館は統一新羅時代から渤海、高麗、朝鮮時代に至るまで、韓国の歴史を時代別に見ることができます。2階と3階には韓国を代表する美術品を展示している美術館があります。第1美術館には10数メートルに達する大きな仏画をはじめ、木工芸品などが展示されていて、美しい線と色彩が際立つ韓国の美術品を見ることができます。第2美術館では、ほのかな笑みをたたえて、右手を曲げて指先を右頬に当てている国宝の仏像、「半跏思惟像(はんかしいぞう)」をはじめ、高麗青磁、朝鮮白磁、金属工芸品など韓国の彫刻と工芸文化の白眉に出会うことができます。国立中央博物館のアジア館には6つの展示室が設けられていて、970点の遺物が展示されています。アジアの国々の美術品を観賞しながら特徴を比べてみるのも良いでしょう。常設展示だけではなく特別企画展示やテーマ展なども随時開かれています。

展示室を見ただけでは国立中央博物館のすべてを見たとは言えません。国宝や宝物級の石塔や石碑などが展示されている野外石造物公園や韓国の庭園文化を再現した野外庭園まで足をのばしてみましょう。所々に見える池や東屋では韓国の自然を楽しむこともできます。

国立中央博物館には5千年におよぶ韓国の歴史と文化が息づいています。

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