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旅行

都会の中のお寺、奉恩寺

2011-05-10

都会の中のお寺、奉恩寺

陰暦の4月8日は釈迦牟尼仏、お釈迦様の誕生日で、1975年から韓国では国民の休日になっています。「釈迦誕生日」が近づいてくると、韓国の街角や寺院は色とりどりの提灯で飾られます。ソウルの中心街、江南区(カンナムグ)三成洞(サムソンドン)にある寺院、奉恩寺(ポンウンサ)にもお釈迦様の誕生を祝う提灯が飾られています。

奉恩寺はソウル地下鉄2号線、三成(サムソン)駅、または地下鉄7号線、清潭(チョンダム)駅から700メートルほどの所にあります。三成洞(サムソンドン)は去年、G20首脳会合が開催されたコエックスや貿易センターなど高層ビルの立ち並ぶビジネス・エリアとして知られています。奉恩寺はそのど真ん中にあるのです。奉恩寺は西暦794年、新羅時代の高僧、縁会(ヨンフェ)国師が建てた寺院、見性寺(キョンソンサ)がその始まりだったとされています。

8本の大きな石の柱に、立派な瓦葺き屋根をのせた造りの真如門(チニョムン)は奉恩寺の入口にある門で、世俗と仏の世界、真理の世界を分ける門です。この門を通ってお寺の境内に入ることは、世俗の憂いや煩悩をすべて脱ぎ捨て、純粋な心で仏の世界に入るということを象徴しています。真如門を通ると、奉恩寺の境内を案内する地図があって、西の方にはご祈祷が行われる建物、法王楼(ポプワンル)が見えます。法王楼は大法会など仏教の大きな儀式やご祈祷のための建物で、壁面には3千3百の観世音菩薩が奉安されています。法王楼はご祈祷を通じて願いごとをしたり、仏の法で煩悩を洗い流したりする空間といえます。

法王楼の向こうは、奉恩寺の本堂、大雄殿(テウンジョン)です。お経を唱える声が聞こえてくる大雄殿は正面5間(かん)の立派な建物で、建物に向かう階段には竜が刻まれています。今からおよそ300年前、奉恩寺は大きな火災に見舞われた後、寺院の修复に使うようにと大金を授けてくださった王を記念するため、王を象徴する竜が刻み込まれたのです。また、大雄殿の壁には釈迦牟尼の一代記を八つの段階に分けて絵で表した八相図や僧侶や童が修行を積んで本性を見つけていく過程を牛を探し出す姿で表現した絵、尋牛図などもあります。

奉恩寺の境内にある高さ23メートルの弥勒大仏は韓国最大の弥勒で、にぎやかな都会を見下ろす静かな笑みが印象的です。弥勒大仏の前を通って、少し歩いていくと古い建物が目に入ります。150年ほど前に建てられたの建物はお経が刻まれた木板を奉安している板殿(パンジョン)で、文化財に指定されています。建物の入口にかかっている扁額の板殿という文字は朝鮮時代後期を代表する最高の学者で、「秋史体(チュサチェ)」と呼ばれる書体を残した金正喜(キム・ジョンヒ)先生が書き残したものです。

奉恩寺では韓国の仏教文化を紹介するため、毎週木曜日、外国人を対象にしたテンプル・ライフが開かれています。およそ2時間にわたって進められるテンプル・ライフではお寺巡りと茶道、座禅、蓮の花の形をした提灯作りなどで構成されています。

にぎやかな都会のなかのお寺、奉恩寺では安らかな気分を味わう旅をすることができます。

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