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旅行

夜の王宮を歩く「月夜の昌徳宮紀行」

2011-05-24

夜の王宮を歩く「月夜の昌徳宮紀行」
ソウル地下鉄3号線、安国(アングッ)駅の3番出口を出てまっすぐ7分ほど歩いていくと、朝鮮時代の美しい王宮、昌徳宮(チャンドックン)が見えてきます。昌徳宮は韓国の建築様式と周りの自然を上手に取り入れた伝統的な庭園の美しさが一番よく残っている所で、1997年12月、ユネスコの世界文化遺産に登載されました。

昌徳宮の観覧時間は夏でも6時半までとなっていますが、最近、満月が上る夜に「月夜の昌徳宮紀行」という特別なイベントが開かれ、夜の王宮を歩いてみることができます。今年4月からスタートした「月夜の昌徳宮紀行」は4月から6月まで、そして9月と10月の満月の夜を前後して行われ、月によって2日から5日間、1年のうち18日間だけ進められるため、予約の競争率もかなり高いそうです。

午後8時、昌徳宮の正門、敦化門(トンファムン)を通った所にある錦川橋(クムチョンギョ)から夜の昌徳宮紀行がスタートします。錦川橋は1411年に造られた石橋で、橋の下を見ると、川の流れに乗って宮中に入ってくる邪気を防ぐため、北には亀の石像、南には伝説の動物、ヘテの石像が置かれています。錦川に映る満月は、夜の昌徳宮紀行で出会う最初の月明かりです。

錦川橋を渡ると、王を謁見するために通らなければならない門、進善門(チンソンムン)と仁政門(インジョンムン)を通っていくと、昌徳宮の正殿、仁政殿(インジョンジョン)です。夜、ライトアップされた仁政殿は朝鮮王朝の華麗な歴史を物語るように輝いてみえます。仁政殿は王の即位式、外国からの使臣の接見など国の重要行事が行われていた建物で、王の威厳をただよわせる王の椅子や華麗な装飾、朝鮮時代末期に西洋から伝わった近代的なカーテンや電灯などを見ることができます。

仁政殿の右にある石段をおりていくと、王の執務室である宣政殿(ソンジョンジョン)と寝室である煕政堂(ヒジョンダン)が出てきます。石畳の道ではなく、土の道が続きますが、これには理由があります。韓国の夏は雨がたくさん降るため、土の方が排水が良く、また、王宮に刺客が忍び込んできた時、土や砂は足音を隠すことができません。さらに、木造の建物が多い王宮が火事に見舞われた場合でも土や砂は火が燃え広がるのを防いでくれるのです。砂は月明かりを反射して照明の役割も果たしていました。宣政殿と煕政堂の前庭に立って月明かりを浴びてキラキラと光る砂、これが昌徳宮で出会う2番目の月明かりです。

少し歩いていくと、朝鮮王朝24代目の王、憲宗(ホンジョン)が愛する女性のために建てた美しい建物、楽善斎(ナクソンジェ)があります。部屋の中が明るいため、昼間には見えなかった繊細な造りの格子窓など、上品な美しさを感じることができます。楽善斎からはソウルのランドマーク、南山タワーがよく見えます。朝鮮時代の恋物語とソウルのランドマークが共存する夜空で昌徳宮での3番目の月明かりを見ることができます。

美しい池、芙蓉池(プヨンジ)がある庭園、昌徳宮の後苑(フウォン)に向かいます。池の左手には王が釣りを楽しんでいたという東屋の芙蓉亭(プヨンジョン)、池の向こうには王室の図書館である奎章閣(キュジャンガク)や本を読む建物、宙合楼(チュハムヌ)が見えます。美しい建物を見ながら、「月夜の昌徳宮紀行」最後のコース、演慶堂(ヨンギョンダン)に向かって歩きます。韓国のもちとお茶がふるまわれ、韓国の伝統音楽、国楽の演奏が始まり、月明かりに包まれた王宮の美しさと風情など月夜の王宮の旅の余韻を楽しむことができます。

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