黄禹錫前教授チームによるES細胞論文ねつ造事件は、アメリカ・ピッツバーグ大学に派遣されていた金ソンジョン研究員が、すでに技術が確立されている受精卵から作ったES細胞を、ヒトクローン胚から作ったようにみせかけ、黄禹錫前教授はこれに気がつかなかったという結論を、ソウル中央地方検察庁が出しました。
KBSが3日夜9時のニュースで伝えたところによりますと、科学雑誌の「サイエンス」に2005年に掲載した2番と3番のES細胞について、黄禹錫前教授は誰かにすり替えられたと主張していましたが、金ソンジョン研究員が、ソウルの「ミズメディ病院」の受精卵を使って作ったES細胞で、それをヒトクローン胚から作ったといつわっていたという供述を検察が確保しました。
そして、黄禹錫前教授は、このことが民放のMBCTVによって追跡され始めた去年10月までは、何も知らずにES細胞の存在を信じていたものとみられる。その根拠として、黄前教授が論文発表後に、受精卵からのES細胞とは知らずに、ES細胞を海外の研究機関に分譲するなど、事実を知っていたとすれば到底、実行できない行動を続けていたことを挙げています。
検察は、最終的な捜査結果を発表する前に、検察の判断について、ソウル大学調査委員会や各界の専門家に意見を求める方針だと、KBSは報じました。