韓国南部にある国立公園、智異山に放し飼いにしているツキノワグマ2頭が初めて野生状態での出産に成功しました。
ツキノワグマは環境部が絶滅危惧種に指定した野生動物で、韓国の天然記念物にもなっており、 国立公園管理公団が2004年からロシアの沿海州や北韓から親を失った幼いツキノワグマ27頭を引き取って、智異山に放し、野生での生息を試みています。
しかしこのうち12頭は死んでしまったり、野生での適応に失敗したりしたため、現在はメス9頭と雄6頭の合わせて15頭が智異山で生息しています。
こうした中で国立公園管理公団は8日、「智異山で雌のツキノワグマ2頭がそれぞれ1頭の小熊と一緒に冬眠しているのを先月末に確認した。智異山で放し飼いしているツキノワグマが野生の状態で交尾から出産まで成功したのは初めてだ」と発表しました。
今回、出産した雌のツキノワグマ2頭はいずれも2005年に北韓から取り寄せたもので、初めての出産だということです。
国立公園管理公団の関係者は「智異山に放された熊が自然の中で餌をとり、厳しい冬を経て出産に成功したのは自然に適応してきたことを証明したもので、韓国のツキノワグマの繁殖事業が成功に向かっていることを意味する」と話しています。