韓国で禁止されていたES細胞、胚性幹細胞の研究が29日、事実上承認されました。
国家生命倫理審議委員会は29日、全体会議を開き、ソウルの産婦人科専門病院、チャ病院が提出していた胚性幹細胞の研究計画書について、研究への過度な期待を招く一部文言の修正やヒトの卵子の使用を最小限にするなどの条件つきで認めました。
生命倫理委員会はこうした意見を保健福祉家族部に伝えることにしており、チャ病院が条件をすべて満たし、保健福祉部が研究計画を最終的に承認しますと、チャ病院は国内で2番目にES細胞を使った研究を行うことになり、これによって2005年から3年間韓国で研究が禁じられていた胚性幹細胞の研究に弾みがつくものとみられます。
韓国ではソウル大学校の黄禹錫(ファン・ウソク)元教授が世界で初めて胚性幹細胞の研究を行ってクローン牛を誕生させるなどの研究成果をおさめて、世界的な注目を集めるようになりましたが、2005年に研究成果のうち捏造していた部分があることが明らかになり、その後胚性幹細胞治療剤の開発は政府によって禁止されていました。
このため、国家生命倫理審議委員会はチャ病院が提出した研究計画書について、今年2月に行った初の審議では、研究に対する過度な期待や誤解を防ぐため、研究タイトルの修正や研究に利用するヒトの卵子の数を最小限にするなどの見直しなどをチャ病院に要請し、これを受けてチャ病院は、修正した計画書を提出しました。