ヒトの免疫を担当する遺伝子が組み込まれた臓器移植用のブタが韓国で誕生し、臓器移植の研究にさらに弾みがつくものと期待されています。
農村振興庁バイオ臓器研究団地で異種間の臓器移植を研究している忠南大学の陳東日(チン・ドンイル)教授とバイオ関連企業は11日、ヒトの免疫機能を担当する遺伝子を組み込んだブタが今年5月11日に誕生し、3か月経った今、元気に育っていると発表しました。
研究陣の説明によりますと、このブタは一般のブタの卵子にヒトの免疫遺伝子が入っているブタの体細胞を移植して受精卵を作り、体細胞と同じ種類のブタに移植して自然分娩で生まれたもので、染色体などを確認した結果、生まれたブタにはヒトの免疫機能を持つ遺伝子が入っていることが分かったということです。
このため研究陣はこのブタの臓器をヒトに移植した場合、体の拒絶反応を大幅に緩和させることが期待されるとしています。
農村振興庁の関係者は「ブタを利用した臓器移植を臨床実験するまでには、無菌状態でのブタの増殖や飼育、拒絶反応のコントロール、ブタの臓器と人体との物理的な適合性など解決すべき課題が多いが、韓国のバイオ技術は世界的な水準にあるため、今後、研究を続ければ、農業と医薬の分野が同時に発展するきっかけになると思う」と話しています。