韓国西海岸は干拓や埋め立てなどによって、過去90年間に自然の海岸線が40%もなくなっていることがわかりました。
国立環境科学院は1910年代に出された地図と、2000年前後に出された複数の地図を比較分析しました。
その結果、漢江の河口と全羅南道の最も南にあるタンクッ・マウルの間に残っている自然の海岸線は、現在は2100キロあまりで、1910年代の3500キロに比べて40%にあたる1400キロも短くなっていることがわかりました。
西海岸は潮の満ち干が大きく、砂丘や干潟が発達していますが、干拓や埋め立てなど持続的な開発が進められてきました。
中でもソウルに近い仁川市と京畿道南部では、ほとんどの海岸線が直線に変わっています。
また海岸線から10キロ以内の土地の利用状況を調べたところ、住居地や産業団地などが50%以上を占めているのに対して、山林や草地の割合は20%に止まっているということです。
これについて国立環境科学院の関係者は「漢江の河口などは、まだ自然景観もすばらしいうえ生態系の保護に欠かせない湿地になっている。こうした海岸砂丘や湿地などを自然保護区域に設定する必要がある」と話しています。