クローン動物を作る際に必要なES細胞の研究で研究成果をねつ造し、その倫理観を問われた黄禹錫(ファン・ウソク)元ソウル大学教授は、現在、警察探知犬をクローン技術で複製する実験を行っていることが分かりました。
黄禹錫元教授が率いる研究チームがクローン実験を進めている対象は、警察の爆発物探知犬として働いている、「クィーン」という名の満4歳のメスのドイツ産のシェパードです。
警察によりますと、この探知犬クィーンは、2007年4月に済州島で起きた小学生行方不明事件の捜索で、延べ3万人もの警察官が動員されて失敗した遺体のありかを、わずか20分で探し出すなど、探知犬の中でも優れた能力を持っていると評価されています。
このため済州特別自治道地方警察庁は、今年秋、クィーンのクローンを作ってくれるよう黄禹錫元教授に対して依頼したもので、黄禹錫元教授は無償でクローン犬を作ることで合意しており、来年1月には3匹の代理母の犬からクィーンのクローン犬が誕生する予定だということです。