韓国の製薬会社「セルトリオン」は、9日、新型インフルエンザや鳥インフルエンザ、季節性インフルエンザなど様々なインフルエンザに対して効果のある抗体治療薬を開発したと発表しました。
抗体治療薬とは、科学的な合成で生産されたこれまでの新型インフルエンザ治療薬のタミフルやリレンザとは違って、人の免疫反応に作用する抗体を利用して病気を治す「バイオ医薬品」で、現在抗がん剤や関節炎の治療剤などとして利用されています。
「セルトリオン」が今回発表した抗体治療薬は、新型インフルエンザにかかった後完全に直った人の血液から抗体を分離し、それを大量生産する技術によって作られました。
この抗体治療薬は、アメリカの疾病統制センターが行った動物実験で様々なインフルエンザに対する予防効果が立証されているということです。
「セルトリオン」は今後、韓国国内で人を対象に臨床実験を行い、臨床実験が終われば来年にも商品化することにしています。
「セルトリオン」のソ・チョンジン代表理事は、「新型インフルエンザだけでなく、鳥インフルエンザや季節性インフルエンザなど様々なインフルエンザに効く『スーパー抗体』を開発したことは大きな意味を持つ」と話しています。