強い毒性を持つ鳥インフルエンザのなかでも最も致命的とされる「H5N1」ウィルスのワクチンを韓国の研究チームが開発しました。
ワクチンの開発に成功したのは、大田市にある国立忠南大学獣医科学科のソ・サンヒ教授のチームで、ソ教授チームは、アメリカ疾病統制予防管理センターから「H5N1」ウィルスを入手し、1年4か月かけてワクチンの開発に成功しました。
従来のワクチンは、接種した後もウィルスが鳥の体内に入り込む弱点がありましたが、今回、ソ教授チームが開発した高病原性鳥インフルエンザワクチンは、ウィルスの浸透を完璧に抑え、完全な免疫をつくることに成功しました。
ソ教授によりますと、このワクチンの接種を受けた実験グループでは、100%の生存と、ウィルスの完全免疫が確認されましたが、一方のワクチン接種をうけていないグループではウィルス感染後、5日以内に100%が死んだということです。
高病原性鳥インフルエンザウィルスの変種は、鳥類だけでなく人にまで感染し、世界的に510人の死亡が確認されています。
ソ教授チームは、今後さらに研究を進め、すべての家禽類と人への感染を防ぐことのできるワクチンの開発に挑むことにしています。