アメリカのオバマ大統領が検討している、核なき世界の実現に向けた「核の先制不使用」構想について、韓国や日本など同盟国が相次いで懸念を示しています。
アメリカのワシントンポストなど主なメディアが、現地時間の14日、伝えたものです。
「核の先制不使用(Not First Use)」とは、敵が核兵器を使用しない限り、先に核兵器を使わないという構想で、従来とってきた核保有国のアメリカが核非保有国の同盟国を核戦力で守る「核の傘」の構想から大きく舵を切るものです。
これについて、外交部の趙俊赫(チョ・ジュンヒョク)報道官は16日の定例会見で、「アメリカの核の傘は確固たるものだ。アメリカは韓国への防衛公約が揺ぎないもので、今後も変わらないということを継続的に表明している」と強調しました。
また、安倍首相も、アメリカ太平洋軍のハリス司令官との会談で、核の先制不使用について「北韓のような国への抑止力を弱め、紛争のリスクが高まる」などと懸念を伝えたということです。
一方、アメリカ国務省は現地時間の16日、韓国と日本のこうした反応について、「アメリカは、核の低減に取り組むと同時に、同盟国のための信頼できる抑止力を常に維持していく」という立場を示しました。