安倍晋三首相が20日の施政方針演説で、韓国を「戦略的利益を共有する最も重要な隣国」と表現したものの、去年に引き続き、「基本的価値を共有する」という表現は、今年も使いませんでした。
安倍首相は20日、衆院本会議で行われた施政方針演説で、「韓国は、戦略的利益を共有する最も重要な隣国です。これまでの両国間の国際約束、相互の信頼の積み重ねの上に、未来志向で、新しい時代の協力関係を深化させてまいります」と述べました。
これについて、韓国のメディアは、韓国内で韓日慰安婦合意を反故にすべきだとする主張が強くなっているうえ、少女像問題をめぐり両国関係が冷え込んでいる中、「国際約束」を取り上げ、相互信頼の重要性を強調したいという狙いがあるものと分析しています。
一方、安倍首相は、2013年と2014年には韓国に対して、「基本的な価値と利益を共有する最も重要な隣国」と述べましたが、一昨年から「基本的な価値」という表現を使わなかったのに続き、外務省ホームページと「外交青史」などからも「民主主義、基本的人権など、基本的な価値を共有する隣国」という文言を削除しています。