ロシアの軍用機が23日、韓国の防空識別圏(KADIZ)と領空を侵犯したことについて、ロシア側は深い遺憾を表明し、領空侵犯の意図はなかったと釈明しました。
これは、大統領府青瓦台のユン・ドハン国民疎通首席が24日に行われた記者会見で、韓国駐在のロシア次席武官と韓国国防部の政策企画官が議論した内容を伝えた中で、明らかにしたものです。
それによりますと、ロシア側は「機器の誤作動により、計画にはなかった空域に入ったものとみられる。韓国側が領空侵犯の時間や位置情報などを提供してくれれば、事態の解明に役立つ」と述べ、調査に着手する考えを明らかにしたということです。
また、「今回の飛行は事前に計画されていたもので、中国との合同演習だった」とした上で、「国際法はもちろん、韓国の国内法も尊重している。意図して侵犯したわけではない。最初に計画された経路通りだと、このような状況は発生しなかっただろう」と強調しました。
一方、中国外交部の華春瑩報道官は、23日に開かれた記者会見で、「 防空識別圏は領空ではないため、全ての国が自由に行き来できる」と主張した上で、「中国と韓国は良き隣国で、‘侵犯’という用語は注意して使わなければならない」と指摘しました。
防空識別圏は、領空ではありませんが、他国がこの区域に進入するためには、事前に飛行目的や経路などを通知するのが、国際的な慣例になっています。
これに先立ち、韓国政府は23日、中国とロシアの軍用機5機が23日午前、韓国の防空識別圏(KADIZ)に入り、そのうちロシアの軍用機1機が、独島(トクト、日本でいう竹島)周辺の領空に侵入したことについて、中国とロシアの駐韓大使を呼び抗議しました。
一方、アメリカ国防総省の報道官は、「同盟国である韓国と日本を強く支持し、韓日両国と今回の事案について緊密に調整している」とし、韓国と日本の対応を強く支持する立場を表明しました。
ただ、この報道官は、どの国の領空であるかについては言及せず、「領空侵犯」という表現にとどまりました。