福島第一原子力発電所の原発事故を受けて行われてきた水産物に対する検査で、韓国の沿岸で獲れた水産物から微量の放射性物質が検出されたことが分かりました。
政府は福島第一原発事故を受け、韓国の海岸で獲れた水産物に対する放射性物質の検査を強化していましたが、事故が発生した2011年からことしの6月まで、全国で行った水産物検査およそ2千件のうち、33件から放射性物質のセシウムやヨウ素が検出されました。
ただ、政府の説明によりますと、流通基準値のキログラム当たり100ベクレルには満たない水準であるため、食べても人体への影響はないとのことです。
一方、放射性物質が検出された33件のうちの27件が、日本から近い釜山や慶尚南道の沖合で検出され、そのほとんどが海流にのって移動しないワカメや昆布から検出されたことが注目されています。
専門家らは、日本の放射能汚染水が海流にのって流れてきたか、事故当時に空気中に放出された放射性物質が、韓国の沿岸に落ちた可能性があるとしていますが、国内の原発から流出した可能性も排除できないため、精密な疫学調査を行う必要があるとしています。
これに先立ち、日本の研究チームは、日本の沿岸を中心に研究を行い、福島第一原発事故で放出されたセシウムが1年後、東海の韓国沖にまで流れてきたという内容の報告書を発表しています。