サムスングループが未来技術育成事業として支援したソウル大学化学部の研究チームがDNAコンピューティング・アーキテクチャーを利用したナノ粒子人工神経網の作成に世界で初めて成功しました。
この研究結果は、アメリカ現地時間の26日、世界的な学術誌サイエンスアドバンス誌に掲載され注目を浴びました。
ナム・ジャミン教授率いる研究チームは、2015年12月にサムスングループ未来技術育成事業に選ばれ支援を受けていて、ナノ技術、バイオ技術、IT技術を融合させた研究を行っています。
DNAコンピューティングは、速い処理速度や小さなサイズ、ヒトの体内でも作動可能という点で大きな期待がかかっていますが、一般のパソコンのように構成要素がモジュール化されていないため、安定したアーキテクチャーを構成するのが難しく、応用が進まずにいる状況です。
ナム教授の研究チームは、ナノ粒子基盤の人工細胞膜プラットフォームを利用してこの問題の解決策を提示しました。
人工細胞膜のチップの上に配列されたDNA粒子、ナノ粒子、DNA分子が含まれた溶液が演算を行う仕組みで、DNA粒子とナノ粒子がハードウェアの役割を溶液の中のDNAがソフトウェアの役割を遂行するよう構成を分離して、一般的なコンピューターの構造を具現化したということです。
研究チームは、これを利用すればDNAコンピューティングを様々なIT分野に安定的に応用できるようになると説明しています。
また、今回の研究結果は、AI=人工知能の中核技術のひとつである人工神経網をナノ粒子技術を通じて初めて具現化したという点でも意義深いということです。