2009年に韓国の技術で建造された初の砕氷研究船「アラオン号」が195日間の南極航海を終え、2日に釜山(プサン)港に入港すると、海洋水産部が2日明らかにしました。
今回の航海でアラオン号は、南極大陸の氷河あるいは氷床が海に張り出して浮いている部分、いわゆる棚氷が海水温度の上昇で溶けるスピードが加速していると相次いで報告されているなかで、西南極海のスウェイツ棚氷の下の海を観測することに成功しました。
西南極海は、これまで海上の氷のためにアクセスが難しく、探査がほとんど行われてきませんでしたが、「アラオン号」は、ヘリコプターで主な観測地点を探索したり、アザラシに観測機器を取り付けるなどして、探査を行いました。
「アラオン号」はまた、ことし1月に大規模噴火を起こしたトンガ沖の海底火山、フンガトンガ・フンガ・ハアパイと周辺地域の調査を行いました。
大型の調査船と探査チームがこの地域で調査を行ったのは初めてです。
噴火前のフンガ火山の頂上は海面の下150メートルの深さにありましたが、1月の噴火により820メートルの深さとなっていて、噴火によって深さおよそ700メートルの穴ができたことが今回の探査で確認されました。
研究グループは、フンガ火山の地形図を完成させていて、火山噴火の仕組みを解明する資料になると期待しています。
アラオン号は、釜山港から光陽(クァンヤン)港に移動し、船舶の修繕や運航に向けた点検を経て、7月に再び北極に向けた航海を始めることになっています。