尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による「非常戒厳」の宣言をめぐり、戒厳令の計画段階から関与した疑いで警察に逮捕されたノ・サンウォン元情報司令官は、身柄を送検されました。
警察は24日、ノ元司令官を内乱罪の疑いでソウル中央地方検察庁に身柄を送ったと明らかにしました。
ノ元司令官は、「非常戒厳」宣言の2日前の今月1日、京畿道(キョンギド)にあるハンバーガー店でムン・サンホ情報司令官やその部下らと会合を持ち、戒厳令を事前に計画した疑いがかけられています。
韓国軍の情報収集と諜報業務を担当する情報司令部は、尹大統領の「非常戒厳」宣言直後、中央選挙管理委員会に兵力を投入し、サーバーのコピーや職員の逮捕を命じた疑いがあるとされていて、警察が捜査にあたっています。
尹大統領は、ことし4月の総選挙で与党が惨敗したのは、不正選挙の可能性があると指摘していて、疑惑を解消するために戒厳軍を投入したと語っています。
現在は民間人の身分であるノ元司令官は、朴槿恵(パク・クネ)政権で情報司令官を務めた人物で、陸軍士官学校の3年先輩である金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官を手伝い、戒厳司令部布告令の作成を行うなど、戒厳令の計画に関与したとされています。
警察が入手したノ元司令官の手帳には、多数の政治家、メディア関係者、裁判官などの逮捕計画があったほか、「NLL=北方限界線で北韓の攻撃を誘導」、「射殺」などの表現が記されていたことから、北韓の攻撃を誘い出し、戒厳令を正当化しようとしていたのではないかという分析が出ています。
ノ元司令官は2018年、部下に対するセクハラ行為により不名誉除隊となったあと、占い師として活動してきました。