来年度の最低賃金を決めるための本格的な審議が始まりましたが、国内外の景気低迷が続くなか、最低賃金をめぐる労使双方の対立が予想されています。
韓国の最低賃金は、毎年、労働者側と経営者側の代表や有識者などが参加する、政府の最低賃金委員会の審議と投票によって決まります。
最低賃金委員会は22日、来年度の最低賃金を決めるための1回目の会議を開きました。
これは、先月31日、当時の雇用労働部長官だった金文洙(キム・ムンス)氏が、最低賃金委員会に審議を要請したことを受けたものです。
最低賃金委員会は、雇用労働部長官からの要請を受けた日から90日以内のことし6月29日までに来年の最低賃金案を決定し、長官に提出しなければなりません。
ことしの最低賃金は、時給1万ウォンを初めて超えたものの、引き上げ率はこれまでで2番目に低い1.7%にとどまりました。
労使ともにまだ、来年度の最低賃金の最初の要求案を示していませんが、今回の審議でも、最低賃金の引き上げをめぐり、労働者側は物価高を理由に大幅な引き上げを求めるのに対して、使用者側は厳しい経営環境を理由に「据え置き」を主張するものとみられています。
一方、韓国の労働組合の全国組織の韓国労総=韓国労働組合総連盟と民主労総=全国民主労働組合総連盟に所属する労働者側委員らは、審議を始める前に記者会見を行い、「最低賃金を生計費が保障される水準にまで引き上げるとともに、適用対象も、これまで最低賃金が適用されなかった契約社員などの特殊雇用労働者などにまで広げるべきだ」と主張しました。