ことし1月から3月までの、食品と外食の消費はいずれも前の年より減少し、この傾向が2年以上続いていることが分かりました。
統計庁が5日に発表したところによりますと、食品の小売販売指数と飲食店業の売り上げ指数は、いずれも2023年から減少傾向が続いています。
一般的に、食に関する支出は削りにくいため、家庭での調理が減れば外食が増える、またはその逆といった傾向が見られてきました。
しかし、この2年間、家庭でも外でも食べることを控えるという異例の現象が続いています。
ことし第1四半期の食品小売販売は、去年に比べて0.3%減少しました。
食品消費は2022年の第1四半期にマイナスに転じた以降、下落傾向が続いており、2023年の第4四半期に一時的に0.5%増加したことを除いて、回復の兆しは見られていません。
新型コロナウイルス感染症が周期的な流行である「エンデミック」に移行した際に、一時的な特需で持ち直していた外食も同様の傾向を示しています。
外食消費の水準を示す飲食店業の売り上げは、2023年の第2四半期以降、前年比で減少を続けており、ことし第1四半期には3.4%のマイナスとなりました。
外食産業は、2021年末から2023年初めにかけては感染対策の緩和により回復傾向にありましたが、その後の物価高の影響でマイナスに転じ、かつての水準を取り戻せずにいます。
食品と外食の両方で支出が減少するのは異例の現象で、関連の統計が集計され始めた2006年以降で初めてのことです。
国内需要が低迷するなか、食品価格の高騰が重なり、消費者が食にかける支出を抑えているものとみられます。
また、景気の悪化によって家計所得が伸び悩み、購買力が低下していることも、消費縮小の背景にあると分析されています。