韓国の自動車最大手、現代自動車は、現地時間の14日、サウジアラビアのキング・サルマン自動車産業団地で新工場の着工式を行いました。
この工場は、製造国がすべての部品を輸出し、それを現地で組み立て、車を完成させる完全ノックダウン方式(CKD)を採用し、電気自動車や内燃機関車の両方を生産する計画です。
まずは、サウジアラビア国内市場向けに生産されますが、中東やアフリカ地域への輸出も視野に入れているということです。
サウジアラビアは、中東全体の自動車販売の3分の1に当たる、年間およそ80万台の自動車が販売される中東最大の自動車市場です。
サウジアラビアでの現代自動車グループのシェアは、ことし1月から3月期に24%と、首位のトヨタに次いでわずかな差で2位となっています。
このため、今回の現地工場の建設など、ローカライゼーション戦略を通じて、こうした競争構図を逆転できるかどうかに関心が集まっています。
また、サウジアラビア政府は、エネルギー中心の産業構造から製造業などに軸足を移していて、なかでも自動車産業に注目していることから、今後の成長が見込まれています。
今回着工したサウジアラビア工場の出資比率は、現代自動車が30%、サウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」が70%を保有しています。
両者はおととし、サウジアラビア工場の建設に5億ドル以上を共同で投資することで合意しています。