これまで一つも残っていないとされていた、朝鮮王朝の王が実務に使っていた印鑑、国璽が初めて見つかりました。
国立故宮博物館が17日に明らかにしたところによりますと、国立故宮博物館は去年12月、朝鮮王朝第26代の王、高宗皇帝が親書に使っていた国璽を購入したということです。
この国璽は、朝鮮王朝時代とそれに続く大韓帝国時代を通じて唯一残っている国璽です。
この国璽は、外箱が紛失していたため、内箱と一緒に購入されました。
博物館は購入した後、これまで3か月間にわたって関連の記録を分析した結果、この国璽がこれまで写真だけが残っていた高宗皇帝の本物の国璽であることが確認できたということです。
この国璽は、高さ4.8センチ、重さ794グラムで、取っ手は亀の形をし、絹の糸で編んだ紐がついています。
また、正方形の印章面には「皇帝御璽」という文字が浮き彫り(陽刻)で彫られています。
国璽を納めている内箱は黄銅でできた3段の構造で、下の段に朱肉を、上の段に国璽を入れるようになっています。
およそ500年続いた朝鮮王朝には合わせて27人の王がいて、王はそれぞれ国璽という実務用の印鑑を持って、公文書や親書などに使っていましたが、不思議なことに本物の国璽はこれまで一つも見つかりませんでした。
博物館は国璽をどこから購入したかについて、海外にある韓国の文化財を買い戻す作業の一環だと述べるに止まり、詳しい事情は公表していませんが、去年12月にアメリカ在住の韓国人から購入したものと見られています。