チリ政府は、チリ国内で続いている政府への抗議デモを受けて、来月に予定されていたAPEC＝アジア太平洋経済協力会議首脳会議の開催を断念すると発表しました。
チリのピニエラ大統領は30日、記者会見を開き「チリ政府は11月に予定されていたAPEC首脳会議と12月に予定されていた第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議 （COP25）を開催しないことに決めた」と明らかにしました。
ピニエラ大統領はまた、「開催の断念は深い苦痛を伴う決定だった」としながらも「国の秩序と市民の安全を守ることを優先すべきだと判断した」と語りました。
APEC首脳会議には文在寅（ムン・ジェイン）大統領をはじめ、アメリカのトランプ大統領、中国の習近平国家首席など主要国の首脳らが参加する予定でした。
とくに、今回のAPEC首脳会議では、アメリカと中国の貿易交渉に関連して、第１段階となる部分的合意に、トランプ大統領と習近平主席が署名する日程の調整も進められていました。
しかし、開催の断念によって、米中間の貿易交渉だけでなく、参加国の首脳らの日程にも支障をきたすものとみられます。