韓国の研修医らで作る団体は、政府が進める大学の医学部の定員拡大に反発して、ソウルの5つの主な大型病院の研修医全員が今月19日までに辞表を提出する計画だと明らかにしました。
大韓専攻医協議会のパク・ダン会長は、ソウルの5大病院の研修医の代表らと、政府の方針への対応策を徹夜で協議し、その結果を16日の早朝、SNSを通じて明らかにしました。
それによりますと、ソウル大学病院、セブランス病院、サムスンソウル病院、ソウルアサン病院、ソウル聖母病院の研修医全員が、今月19日までに辞表を提出するということです。
さらに、20日の早朝6時からは勤務を行わないということです。
また、「今後、全国の研修医を対象に集団離職への参加の意向を調査する予定だ」としています。
韓国では、全国の医療機関の95%が民間による経営で、病院をどこに建て、どの診療科を設置し、何人の医師を配置するかなどの判断が病院側に委ねられています。
こうした状況が、都市と地方の医療格差、また、医師が皮膚科などの人気の診療科に集中し、救急や小児科に人材が集まらないといった診療科の間での格差につながっているとされています。
医療サービスの不均衡を是正する方策として、先の文在寅(ムン・ジェイン)政権では、病院の配置や医師の配分に国が関与できるよう、政府系の病院の設立を試みましたが、この時も、研修医を始め現役の医師たちからの猛反発にあい、計画が頓挫しました。