韓国政府が先週、ロシアに対して独自の制裁を科したことについて、ロシア外務省がロシア駐在の韓国大使を呼んで抗議しましたが、韓国外交部は、「正当な措置だ」と反駁しました。
ロシアのメディアによりますと、ルデンコ外務次官が現地時間の5日、韓国の李度勲(イ・ドフン)ロシア駐在大使を呼び、韓国政府がロシアに対して独自の制裁を科したことについて、「韓国政府は、韓半島の緊張を高め、ロシアの安全保障を脅かす措置をやめるべきだ」と抗議したということです。
これについて、韓国外交部は5日、今回の制裁は国連安全保障理事会の決議と国際法の原則に基づく合法的で正当な措置であることを改めて強調しました。
これに先立って、韓国政府は3日、ロシアの2つの団体と2人の個人に対して、ロシアにいる北韓の労働者を支援することで、北韓の核やミサイルの開発計画に関与したとして制裁を科すとともに、北韓とロシアの軍需物資の運搬に関与したとして、ロシアの船舶2隻にも制裁を科しました。
ロシアがウクライナに侵攻したあと、韓国は、西側諸国がロシアに対して制裁を加える流れに加わっていることから、韓国とロシアの関係がすでに冷え込み始めているなか、韓国が、ロシアと北韓との間の軍事協力に関してロシアに独自の制裁を科したことで、両国関係がさらに悪化している形です。
韓国が、ロシアだけを対象に制裁を行うのは今回が初めてです。