尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、空席になっていた大統領秘書室長に、与党「国民の力」の重鎮、鄭鎮碩(チョン・ジンソク)氏を任命しました。任命の理由として、高いコミュニケーション能力をあげています。
尹大統領は、22日、新しい大統領秘書室長に、与党「国民の力」の重鎮、鄭氏を任命すると発表しました。
前任の秘書室長は、今月10日に行われた総選挙で与党が惨敗したことを受け、辞任しています。
鄭氏の任命は、政権と国会の「ねじれ」状態が続くなか、野党との協力やコミュニケーションの強化が以前にも増して大きな課題となっていることや、野党や国民との対話が足りないという大統領自身に対する指摘を意識したものと受け止められています。
鄭氏について、尹大統領は、「野党とも良好な関係を持っている。秘書室長として、内閣や野党、メディア、市民社会と意思疎通を行い、職務を遂行すると期待している」と述べました。
忠清南道(チュンチョンナムド)出身の鄭氏は、1960年生まれで、韓国の日刊紙「韓国日報」に15年間記者として勤めました。
その後、2000年から国会議員を5期務め、国会副議長や大統領府の政務首席秘書官、「国民の力」の前身である「セヌリ党」の院内代表を歴任しました。
尹政権の発足後に「国民の力」の党代表が辞任したあと、非常対策委員長として事実上の党のリーダーを務めました。
対日関係においては、おととし7月に韓日議員連盟の会長に就任しています。
ただ鄭氏は、今回の総選挙で落選しているため、議員連盟のポストがどうなるかも注目されます。