先月中旬、韓国の農協中央会のコンピューター・システムが障害を起こし、金融取り引きが大きく混乱した事件の捜査を進めているソウル中央地方検察庁は3日、今回のハッキングは北韓が綿密に準備したサイバーテロだったという結論を発表しました。
検察によりますと、今回の事件は、去年10月、農協中央会のシステムを担当しているIBMの社員のノート型パソコンに犯人から悪性のコードが送りこまれたことから始まり、犯人たちは7か月間にわたって、このパソコンから暗証番号など必要な情報を次々に盗み取った後、先月になって遠隔操作で農協のコンピューター・システムを攻撃させました。
検察は農協のサーバーに残されていた外部から侵入した跡や、遠隔操作によって削除命令を出すのに使われたIMB社員のノート型パソコンを分析した結果、おととしの分散サービス妨害攻撃(DDoS攻撃)の際に使われた中国発のIP=インターネット・プロトコルと呼ばれる情報伝達命令が90%以上見つかり、また今年3月の攻撃の跡が100%残っていたことがわかったとしています。
またハッキング攻撃が成功した後は、証拠を削除するなど、北韓の偵察総局がち蜜な計画のもとで行ったサイバーテロだとしています。
検察の関係者は「今回のサイバーテロは被害の拡散を防ぐためにサーバーの作業を中断させざるをえないほど強力なものだった。いまや北韓の新しいサイバー攻撃への対策が求められている」と述べました。